ケータイ感覚で快適に使える本格スマートフォン――ドコモ「HT1100」(2/2 ページ)
スリムでコンパクトなスライド型ボディを持つドコモのHTC製Windowsケータイ「HT1100」。このWM6を搭載したスマートフォンは、快適な片手操作が可能なTouchFL/HTC Homeなどの機能が盛り込まれている。
高機能なWindows Mobile
Windows Mobileを搭載するHT1100は、さまざまなアプリが利用できる。富士通製のF1100には入っていなかったMicrosoft Office Mobileがプリセットされており、PCで作成した各種オフィス文書を閲覧/編集できる。Adobe Reader LEも内蔵するので、PDFファイルの閲覧も可能だ。
WebブラウザとしてはIEに加えてOpera Mobileも搭載。さらにナビゲーションアプリのNAVITIMEも利用可能だ。GPSは内蔵していないため、現在地を元にルートを検索することはできないが、指定した場所から目的地までナビする機能などは備えている。
マルチメディア機能としては、Windows Media Playerに加えて、プレイリスト作成機能も備えた「オーディオプレーヤー」を搭載。また、YouTubeなどのストリーミング動画を再生する「ストリーミングメディア」を用意した。これは、WebブラウザでYouTubeにアクセスして動画をクリックすると、自動的に起動してそのままストリーミング再生するツールだ。IE自体はYouTubeの動画再生に対応していないが、このストリーミングメディアを利用してYouTubeを楽しめる。そのほか、海外でも利用できるFMラジオも搭載した。
通信機能は、W-CDMA(HSDPA)、GSM/GPRSに対応。下り最大3.6Mbpsの通信が可能で、パケット定額サービス「Biz・ホーダイ」もサポートする。世界159の国や地域で音声通話ができるWORLD WINGも利用可能だ。
また、Bluetoothも内蔵し、PCとワイヤレスで接続してデータ交換を行ったり、PCやPDAからFOMAのネットワークにアクセスする外部モデムとして利用できる。ただし、その場合のパケット通信はBiz・ホーダイの適用外になるので注意が必要だ。
ネットに接続するための接続設定については、「mopera U」の端末自動設定機能を搭載し、メールアカウントの設定も含めて自動で設定してくれるので手間はかからない。メールでは仕事や家庭で使っているISPのアカウントを設定して送受信できる。
なによりWindows Mobileのメリットは、豊富なオンラインアプリケーションの存在だ。デフォルトのままでは機能不足や使いづらさを感じる場合もあるかもしれないが、さまざまな開発者が公開しているアプリケーションを自由にインストールでき、活用シーンを広げてくれる。
ただ、HT1100ではiモードサービスは利用できないので注意が必要。もちろんiアプリなどのコンテンツも非対応だ。
気になるセキュリティ面だが、HT1100にはMcAfeeのウイルス対策ソフトが導入されている。現時点でWindows Mobileに対するウイルスの危険性はPCのそれよりも小さいが、世界的なスマートフォンの普及と高機能化で危険性は高まっている。今後を見据えた安全性の確保という意味でも安心感が高い。
気軽に快適に使えるスマートフォン
スマートフォンというと、ちょっと大きめのボディでダイヤルキーもなく、普通の携帯電話とは異なる使い方が求められることが多かった。HT1100でも、iモード非対応やWindows Mobile独特のインタフェースなど、いわいるケータイとは違う面もある。
しかしHT1100では、あえてスライド式ダイヤルキーのみを備え、スマートフォンにありがちなQWERTYキーボードの搭載を見送った。これがコンパクトなボディサイズの実現に一役買っている。さらにHTC HomeやTouchFLOなど、タッチパネルを生かした新たなインタフェースを搭載し、操作性を落とさないよう工夫を凝らしている点にも好感が持てる。
HT1100は、これまでと変わらない携帯電話の使い方とWindows Mobileの高機能が一体となり、新たなユーザーでも気軽に使えそうな製品に仕上がった。新しい魅力を持った、新世代のWindowsケータイと言えるだろう。
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