日本のユーザーが満足できる端末に──「PRADA Phone by LG」が目指したもの
プラダ ジャパンとLG電子が5月8日、「PRADA Phone by LG(L852i)」の発表会を開催。このモデルの開発にかけた思いや、日本市場に投入するのに約1年の歳月を要した理由などを説明した。
プラダ ジャパンとLG電子が5月8日、日本向けの“プラダケータイ”「PRADA Phone by LG」(ドコモの型番はL852i)をNTTドコモから発売することを明らかにした。これに合わせ、両社はプラダブティック青山にあるPRADA Aoyama Epicenterにて記者説明会を開催し、L852iが既存の「The PRADA Phone by LG」(KE850)とは異なる、日本向けの仕様を盛り込んだ端末であること、先進的な日本の携帯ユーザーが十分満足できる、“ほかにはない”ユニークな製品であることなどを紹介した。
左からPRADA Group ビジネス開発ディレクターのジャコモ・オヴィディ氏、LG電子ジャパン代表取締役のリ・ギュホン氏、プラダ ジャパン 代表取締役社長のダヴィデ・セシア氏、LG電子 マーケティング戦略担当バイスプレジデントのチャン・マ氏
PRADA Aoyama Epicenterで発表できたのは意義深い──プラダ ジャパン セシア氏
PRADA Phone by LGの発表会が催されたプラダブティック青山は、ヘルツォーク&ド・ムーロンが手がけたガラス張りの独特のデザインが特徴の建物。ヘルツォーク&ド・ムーロンは、北京オリンピックのメインスタジアム「北京国家体育館」なども手がける、世界的に有名なスイスの建築家だ。
発表会の冒頭で挨拶したプラダ ジャパン代表取締役社長のダヴィデ・セシア氏は、「PRADA Aoyama Epicenterは、プラダの携帯電話を日本に紹介するのに一番ぴったりな場所。今日のレセプションを楽しんでほしい」と話した。
日本のみなさまにまったく新しい体験を提供できる──LG電子ジャパン リ氏
LG電子ジャパンの代表取締役、リ・ギュホン氏は、LG電子が世界各国で顧客に愛される製品作りを実現するため、利便性と付加価値の高い製品作りに取り組んでいること、世界的ベストセラーとなった“チョコレートフォン”や“Shine”といったプレミアムケータイのラインアップを展開していることなどを紹介した。
すでに欧州などで販売中のThe PRADA Phone by LGについては、「LG電子の最新のテクノロジと世界のファッショントレンドをリードするPRADAのデザインセンスがコラボレートし、ほかのデザインケータイとは一線を画した究極のスタイルアイコンとしての地位を確立している」と話し、「日本のユーザーにまったく新しい体験を提供できると確信している」と自信を見せた。
誇りを持って紹介できるPRADA Phone by LGが完成した──LG電子 マ氏
最初のGSM版The PRADA Phone by LG(KE850)が発表されたのは2007年1月18日。翌2月末に米国、フランス、ドイツ、イタリアの4カ国で販売を開始し、現在は韓国などアジア圏を含む世界44カ国で販売されている。日本は45カ国目ということになるが、PRADA Phone by LG(L852i)はKE850を日本向けにカスタマイズした製品ではない。
LG電子 マーケティング戦略担当バイスプレジデントのチャン・マ氏は、日本向けのPRADA Phone by LGの投入が、初代プラダケータイの発表から1年以上の歳月を要した理由を中心に、PRADA Phone by LGの“日本版”が必要だったことを説明した。
「日本市場は世界でもっとも洗練された市場の1つで、ユーザーからの要求が高く、常に高品質な端末が求められる。その要求に応えるためには、すでに展開している製品にちょっと手を加えて販売するのではなく、日本のお客さまにふさわしい端末を出す必要があると考えた。そのため、開発に時間がかかり、発売までに時間がかかってしまった。」(マ氏)
1年間市場テストや消費者テストなどを繰り返し、PRADAとの議論を重ねて、ようやく誇りを持って紹介できるPRADA Phone by LGが完成したという。それが下り最大7.2MbpsのHSDPAに対応したうえ、iモードやiアプリが利用できる、ドコモのサービスが不自由なく利用できる端末だ。ユーザーインタフェース(UI)も日本のユーザーに合わせたものに改良してある。
なおPRADA Phone by LGの販売目標についてマ氏は「メディアの方々によく聞かれる」と前置きしつつ、「この端末は、たくさん数を売ろうと思って作ったものではない。お客さまが今までになかった体験をしていただける端末を提供するために開発したものであり、お客さまの心をつかめるような製品になったと思う」と話した。
具体的なターゲットユーザー像というのはないそうだが、20歳から34歳くらいの男女で、いわゆるコンシューマーではなく、積極的に新しい体験や新しいこと、モノを求めているプロシューマーと呼ばれるユーザーを想定して開発しているという。またモバイル端末を単なる道具として持つのではなく、自身の表現のツールに使うトレンドセッターも対象となっている。
既存の携帯電話とはまったく違うもの──PRADA Group オヴィディ氏
PRADA Groupのビジネス開発ディレクター、ジャコモ・オヴィディ氏は、PRADA Phone by LGが、既存の携帯電話とはまったく違うものである、という点を強調した。
「PRADA Phoneは、既存の端末にPRADAのロゴを付けた、単なるコブランディングの製品ではない。もちろん、単純に共同でマーケティングをする、というだけの製品でもない。PRADAとLGの真のパートナーシップの下、ミラノと韓国のデザインハウスの人間が行き来しながら、まったく新しく作り上げたもの。この携帯電話は、PRADAのロゴがついていないものでは味わえない特徴を持っている」(オヴィディ氏)
また同氏は、PRADA Phone by LGが、全面タッチパネルを搭載した端末としては世界で初めて発売されたものである点もアピール。PRADAが新しい技術を、新しい商品とともに提案できると胸を張った。
価格は未定、販売は全国のドコモ取扱店で
気になる販売価格については、発表会場では「現在交渉および調整をしているところだが、リーズナブルな価格設定を目指したい」(LG電子 マ氏)とだけ話し、具体的な価格レンジの言及は避けた。
ちなみにGSM/EDGE対応のThe PRADA Phone by LG(KE850)が欧州で発売されたときの価格は600ユーロ(9万円台の半ば)。とはいえ日本国内で販売されている並行輸入品には6万円を切るものもあり、具体的にどのくらいの値段になるのかは予想しにくい。ちなみにモトローラの「M702iS」とDOLCE & GABBANAのコラボレーションから生まれた金色のケータイ、「M702iS Dolce & Gabbana」は回線契約なしで7万5000円だった。
端末の販売は、M702iS Dolce & Gabbanaとは異なり、プラダブティックではなく全国のドコモ端末取扱店で行う。つまり、ドコモショップはもとより、家電量販店などのドコモの携帯電話売り場で普通に販売されることになる。プラダブティックでは店頭で端末の展示のみを行い、購入を希望する顧客には、ドコモショップなどを案内するという。
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