レビュー

ケータイで自宅PCの動画を再生──ドコモの「ポケットU」はどこまで使える?(4/5 ページ)

ドコモのFOMA端末向け新サービス「ポケットU」が始まった。iモード経由で自宅のPCへのアクセスを可能にし、PC内にある動画や音楽データ、オフィスドキュメントを自分の携帯で再生・表示できるようになる。その使い勝手はどうか、早速導入して試した。

 さて、動画データはポケットUソフトで画質と音質を3段階、サイズ(解像度)を2段階に設定できる。このうち、よく使うであろう3種類のパターンに設定し、その違いを確認した。

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 “高画質”は携帯のディスプレイで再生しても十分満足のいく画質だった。フレームレートは30fpsと高く、解像感もほどよくしっかり。ワンセグの映像より良好である印象だ。“標準”にすると、フレームレートが平均12fpsほどに落ちる。動きの少ないシーンはそこそこ大丈夫だが、動きが激しく解像感がやや下がる傾向。ただ、これくらいならまだ実用範囲内だ。一方、“長時間”は平均フレームレートが5fpsまで下がる。ここまで落ちるとカクカクな表示となり、満足できないものになった。

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 音楽データは音質を3段階に設定できる。コーデックはすべてMPEG-4 AACで、動画データの音声品質と同様の設定で変換される。“高音質”モードはサンプリングレートも音楽CDと同じ44.1kHzで、ビットレートは128kbps。音質は(個人差はあるだろうが)ほぼ不満のないものになった。“標準”モードはイヤフォンでしっかり“音楽として”聴くには少しつらいかなと感じる音質だが、端末の内蔵スピーカーで聴くならまぁそれなりかなという印象。そして“長時間”モードは感度の悪いAMラジオを聴くような、やや不満が残る音質になった。

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30分のアナログテレビ番組を“高画質”モードにすると、11分割された

 このようなわけで、まず音楽データはP905iなどの905iシリーズ以降で利用するなら“高音質”でよいと思う。よほど長い曲でない限り1曲10Mバイト以内に収まるので、1つのiモーションファイルとして利用できる。

 一方、動画データは“分割される”のが面倒だ。例えば2分30秒ごとに分割するとなると、長尺のコンテンツはやはりつらい。端末に操作なしで連続再生してくれるような機能があればいいが、そもそもiモードブラウザを利用してアクセスするのだからそのような機能は残念ながらない。WMVで再生するストリーミング再生であれば無制限なのではと思ったが、WMV再生はスマートフォンやPCの再生でのみサポートし、WMVのストリーミング再生が行えるP905iでも利用できなかった。こちらは今後、改善してくれることを願いたい。

 このほかP905iにおいては、1)ストリーミング再生中はBluetoothに音声出力できない、2)ストリーミング中は横向き画面にもできない、3)保存時、自動的にファイル名を決めてしまう(手動のみではもちろん面倒だが、任意に設定して管理したいと思うユーザーもいるだろう)の3点が気になった。

 このうちBlueotooth機能以外、例えば「F906i」はストリーミング再生中も横向きフルスクリーンで再生でき、保存時も任意のファイル名に設定できた。これらは端末によっても使い勝手が少し変わる点にも注意しておきたいところだ。

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