“イルミ”は見るものから使うものへ――ケータイでオーラソーマを楽しめる「W64SA」:開発陣に聞く「W64SA」(2/2 ページ)
モーションセンサーを搭載し、端末を振ると背面イルミの色が変化する「W64SA」。人気のカラーセラピー“オーラソーマ”をケータイで気軽に楽しむことができ、かつての三洋製端末ならではの機能も復活した。
SANYOならではの機能が復活
W64SAと、グローバルパスポート CDMAに対応した「W63SA」はauの2008年夏モデルとして同時発表された兄弟機だ。機能面で比較すると、W64SAはW63SAで採用されているテレビ電話、PCドキュメントビューア、デジタルラジオには対応していない。
その代わりW64SAは、ディスプレイに光の乱反射を抑えるファインパネルを採用し、FeliCaとFMラジオも搭載している。なお、イルミネーションやカロリーカウンターなどで活用されているモーションセンサーは、地磁気の3軸と加速度の3軸に対応した6軸センサーだが、いわいる電子コンパスとしては使われていないという。そのため、地図が進む方向に合わせてヘディングアップするような機能は残念ながら搭載されていない。
ワンセグはW63SAとW64SAの両端末に搭載しているが、W64SAは女性が使うことを意識して、ダイヤルキー下部にワンプッシュでワンセグが起動する[TV]ボタンを装備した。というのも、女性はワンセグをあまり活用していないというデータがあるからだ。
「色々な調査の結果、ワンセグは起動するのにメニューをたどって行かなければならず、“使うのが面倒”と思われていることが分りました。この傾向は女性のほうが強かったですね。『W53K』のようにワンセグが一発で起動する機能が必要ということで、ワンプッシュでワンセグが起動する[TV]キーを搭載しています」(横田氏)
なお、[TV]キーの長押しは、コントラストを抑えてのぞき見を防ぐブラインドスクリーン機能のオン/オフに割り当てられてい。これは、どんな機能を使っているときでも設定でき、メールを打っている最中でも、ワンセグを見ているときでも、アプリを使っていても切り替えが可能だ。
さらに、かつての三洋電機製ケータイでおなじみだった機能も、少しずつではあるが復活しつつある。
「新製品の発売と同時にユーザーアンケートを実施しているのですが、『W54SA』発売の際は“フリーアンサー”にたくさんの要望をいただきました。通常、アンケートの回答総数が3000件あったとしてもフリーアンサーに記入していただくのは100件程度です。しかしW54SAのときは700~800件にもなりました。初めてのKCP+端末ということで従来の機能がなくなり、ユーザーの方々にもざまざまな思いがあったのだと思います」(横田氏)
こうした数多くの要望をうけ、W64SAでは、ステレオ対応のICレコーダーと、テンキーの長押しでアドレス帳を表示する時短検索が復活した。文字入力時の自動カーソル移動や逆トグル、アンドゥ機能も引き続き搭載する。
また、動作のサクサク感に注目してほしいと横田氏はいう。「W54SAは非常に多くの方から、動作速度を改善してほしいという要望を受けました。それを受けてW64SAでは、かなりがんばってサクサク動くようにしています。W64SAのディスプレイはVGA表示のため、QVGAの4倍の処理能力が必要でかなり苦労しています。でも、他社のKCP+端末に比べて、かなり早く動作すると思います」(横田氏)
横田氏によると、“SANYO”の従来モデルで評価されてきた機能は、KCP+端末でも徐々にプラスしていく予定だという。ただし、搭載するにはかなりの労力が必要になる。従来のKCPと比べて共通化が進んだKCP+は、メーカーがオリジナルの機能を搭載する際の自由度が低い。さらに、仕様が確定していない部分もあり、勝手に開発できない領域もある。W64SAでは時短検索が復活したが、アドレス帳は共通部分の機能であるため、いかに呼び出すかで苦労したという。
また、「特に男性ユーザーからの要望として多い」(横田氏)というのが、プライバシー機能の復活。対象となる相手からのメールや電話着信を一切通知せず、履歴にも残さないという徹底した機能だ。KCP+でこの機能を実現するには、共通化された領域に踏み込んで開発せねばならず、非常に難しいという。今後のSA端末で復活することに期待したい。
「今後、KCP+がこなれてくれば、どこに手を入れればいいのか見えてきます。使い勝手をよくするための開発は我々が得意とする部分ですので、少しずつですが以前の機能を載せていけるようになってきています」(横田氏)
W64SAは心理診断ができるイルミネーション機能が特徴的で、かなり女性を意識した端末だが、胸ポケットにも入るスリムさや、充実した機能面を見ると、男性にもお勧めしたい端末だ。またau端末は、人気がでると追加カラーが投入されることが多い。カラーバリエーションの広がりにも期待も膨らむ。
「そうなるとうれしいですね。例えば、ミラーパネルにイルミネーションを透過させることも可能です。もちろん、売れればの話ですが(笑)」(横田氏)
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