笑っちゃうほど何もないシンプルカメラ、ピントの合う範囲が独特──「iPhone 3G」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/6 ページ)
“おまけ”とか“しょぼい”とも言われるiPhone 3Gのカメラ機能だが、実際のところはどうか。いくつかのシチュエーション別に撮った作例を中心に、改めて使い勝手や特有の「クセ」、ケータイ宛てに写真を送る方法などをチェックしていく。
手ブレとピントの合う範囲に注意
撮影時に2点、注意しておきたいことがある。
1つは「手ブレ」。シャッターボタン(画面上のアイコン)はどう構えても押しやすい位置になく、持ち方を工夫しないと手ブレしやすい。同時に裏面のレンズを塞がないように気をつけなければならない。
もう1つは「撮影距離」。iPhone 3Gのカメラは固定フォーカス(パンフォーカス)だが、その「固定」っぷりに若干のクセがあるようだ。
よくある固定フォーカスのケータイカメラは「1メートルくらい~無限遠」でピントが合う。1.5メートルくらいのところにピントの山を持ってくれば、1メートル弱から無限遠までおおむね大丈夫、つまり無限遠でピントが合うところからどこまで寄れるかという設計になっている。例えば、固定フォーカスレンズだったカシオ計算機の初代EXILIMは「0.9メートル~無限遠」、また、固定フォーカスカメラを搭載するケータイは近距離撮影用のマクロモードがあり、スイッチで切り替える仕組みを採用する。
でもiPhone 3Gの固定フォーカスカメラは違った。かなり近距離までピントが合う反面、無限遠がぼけるのだ。カメラの詳細スペックは公開されていないので個体差があるのかもしれないが、使ってみた感じでは得意な撮影距離は50センチ~2メートルくらい。大目に見て、30センチ~3メートルくらいという感じだろうか。
右手にiPhone 3G、左手を伸ばしてひまわりを触れている写真を撮ってみた。ひまわりまで約50センチほどだがピントは合っている。
こちらは、遠景を撮ろうとしたら偶然手前に三脚の頭が写ってしまっていた写真。数10センチほどの距離にある三脚にはピントが合ったが、遠景がぼけていた……というカメラの特性がよく分かる作例になった。
……たぶんわざとそうしている。狙いは「ポートレート」。人物を撮る距離でピントが合うように設計したと思われる。
この割り切り方もよく考えたら今までにない。ケータイカメラにおいて、“風景は撮れるけど近い被写体(人物や小物など)はダメ”なものと、“風景は少しぼけるけど、近い被写体はきちんと撮れる”もの、さてどっち? と聞かれたら断然後者。ケータイでさっと撮りたいのは、たいてい身近なものなのだから。
このクセをふまえながら作例を見ていこう。
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