インタビュー

触れると分かる「本当の使いやすさ」に自信──Wオープン3代目の集大成「P-01A」開発の真意(前編)開発陣に聞く「P-01A」(1/3 ページ)

人気のWオープンスタイルを継承し、横向きでも文字を入力できる新機構“2WAYキー”が特徴の「P-01A」。前機種P906iと比べて何が変わり、どんな特徴があるのか。そしてタッチパネルを採用しなかったのはなぜか。パナソニック モバイルの「P-01A」開発チームに話を聞いた。

 ディスプレイが横にも開く“Wオープンスタイル”のVIERAケータイ。このキーワードが大ヒットモデルに成長する礎を築いた。

 パナソニック モバイルコミュニケーションズ製のVIERAケータイは、2007年冬モデルの「P905i」と2008年夏モデルの「P906i」を中心に、ソフトバンクモバイル向けの「920P」なども含めて、発売9カ月で300万台を出荷するほど2008年の人気モデルとなった。

パナソニック モバイル製の「P-01A」。グラマラスレッド、グラファイトブラック、フロスティホワイト、シャンパンピンクの4色を用意し、ディスプレイを開く向きに応じてダイヤルキーの配列が変わる新機構“2WAYキー”を採用した

 Wオープンスタイルはディスプレイが横にも開くヒンジ機構を備え、端末を横向きに構えてワンセグやゲームなどを快適に利用できる携帯の新たな利用シーンを創造したのが大きな特徴。そして、この複雑な機構を備えながら、そもそもの高いスペックとともにデザイン性や使い勝手も損ねなかった点が多くのユーザーに受け入れられた。

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 そのWオープンスタイルは、ドコモの新機種「P-01A」にも引き継がれた。新たに“2WAYキー”と呼ぶダイヤルキーの配列が変化するギミックを備え、デザインや使い勝手をさらに進化させたという。

 P-01Aはどこがどのように進化したのか、そして何を目指した端末なのか。パナソニック モバイルのP-01A開発チームに話を聞いた。


パナソニック モバイル「P-01A」開発チーム。左から電気設計担当の渡邊聡氏、商品企画担当の野中亮吾氏、プロジェクトマネージャーの沢村恒治氏、デザイン担当の古宮幸昌氏(パナソニック デザインカンパニー)、ソフトウェア担当の鈴木直行氏(NTTデータMSE)、機構設計担当の萬田泰辰氏

横向きでキーの配列が変化する新機構「2WAYキー」を採用

 

── 予想以上に大量に発表されたドコモの2008年冬モデルにおいて、「P-01A」はどんな端末なのでしょう。

プロジェクトマネージャーの沢村恒治氏(以下、沢村氏) P-01AはドコモのハイエンドモデルにあたるPRIMEシリーズとして展開する機種で、2007年11月に発売したP905iから続く“Wオープンスタイル”の3世代目となります。当時はテレビを視聴するビューワスタイルを提案する形で製品化しましたが、このスタイルを私たちの基本ステータスにしたいと思っています。このため、今回のP-01AもWオープンスタイルを踏襲しました。

 ただ進化が著しい携帯市場において、単なるWオープンではやはり「新しくなったイメージ」を伝えにくいのは確かです。そこで“視聴する”だけでなく“使う”というテーマも徹底して盛り込みました。それをもっとも象徴するものが新機構の「2WAYキー」となります。

 2WAYキーは、ディスプレイを開く向きに応じてダイヤルキーの配列が物理的に変化するものです。ディスプレイを縦に開くといつもどおりの配列で、そして横に開くと横向きスタイルで使用しやすいようにキーの配列も横向きに変化させることで、横向きで使用する機能を快適に使えるよう工夫しました。

── 2WAYキーの仕組みには少し驚きました。P905iやP906iは、横向きスタイルでは文字を快適に入力できませんでしたからね。

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沢村氏 この点は開発における大きな軸にもなっています。特に横向き画面にすると高解像度のディスプレイとともに、PC向けサイトもフルブラウザで快適に楽しめます。P-01Aは下り最大7.2MbpsのFOMAハイスピードにも新たに対応しますので「フルブラウザの使い勝手向上」には特に力を入れました。

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