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「ROG Phone 8(グローバル版)」を試す “とがったゲーミングスマホ”から“普段使いに適したスマホ”へ変化(1/3 ページ)

2024年1月のCESで発表され、デザインやコンセプトが一新された「ROG Phone 8」に注目が集まった。同社では「第3世代」と称するレベルの進化を遂げた。先行販売されている海外版を元にレビューしたい

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 2024年1月のCESで発表され、デザインやコンセプトが一新された「ROG Phone 8」に注目が集まった。同社では「第3世代」と称するレベルの進化を遂げた。

 今回は先行販売されている海外版を手にする機会を得たので、レビューしたい。なお、本機種は技適を取得していないため、総務省の特例制度を利用している。特例制度では、技適のない海外の端末に対し、所定の届け出を行うとWi-FiやBluetoothの通信が可能になる。先行して販売された海外版のため、日本向けとは一部仕様が異なっている点は注意してほしい。

第3世代のゲーミングスマートフォン AI処理のゲーミングアシストにも注目

 ROG Phone 8はゲームパフォーマンス重視のスマートフォンだ。本体のスペックは以下の通りだ。

  • プロセッサ……Snapdragon 8 Gen 3
  • メモリ……12GB/16GB
  • ストレージ……256GB/512GB/1TB
  • ディスプレイ……6.78型 振るHD+
  • アウトカメラ……標準:5000万画素
  • メインカメラ……超広角、1300万画素、望遠:3200万画素
  • インカメラ……1600万画素
  • バッテリー……5500mAh
  • 充電方式……65W充電、10Wワイヤレス充電
ROG Phone 8
画面は近年ハイエンド機同様のAMOLEDパネルを採用する

 画面サイズは6.78型と大型の部類だが、前作に比べるとかなりシェイプされた印象だ。画面はAMOLEDパネルを搭載しており、画面解像度はフルHD+となる。1〜120Hzの可変リフレッシュレート、165Hzのハイフレームレートに対応している。画面輝度も2500ニトと明るい画面となり、屋外での視認性も向上している。

 大きく変わったのは、パンチホールインカメラを備える一般的なスマートフォンと同様の画面になったこと。以前までアピールしていた「映像体験を阻害する要素がない」という意味では見劣りする形となった。

ROG Phone 8
前作と比較すると、やはり画面内のパンチホールインカメラが目立つ

 今回のROG Phoneはカメラを意識したデザインで、大型化したメインカメラの出っ張りが印象的だ。センサーサイズは1/1.56型で「Zenfone」シリーズ同様に6軸のジンバル式の手ブレ補正機構を備える。本体デザインはガラスの背面と金属製のフレームの構成だ。今回選択したグレーでは、背面ガラスとフレームのコントラストが映える特徴的なものだ。

ROG Phone 8
フルフラットのディスプレイと本体形状もあって角張った本体が印象的。本体スピーカーはステレオ構成となっており、高音質での再生が可能だ

 プロセッサはQualcommの最新Snapdragon 8 Gen 3を採用。同社のAndroid端末向けプロセッサとしては最上位のもので、高い性能を発揮する。もちろん、基本性能だけにとどまらず、ISP性能やAI性能が向上したことで、カメラ性能などの向上にも大きく寄与している。

 メモリについてはLPDDR5X規格、容量は12GB、16GB、24GBとそれぞれグレードごとに設定されている。今回レビューするROG Phone 8では16GBも選択できるが、グローバル向けは12GBのみだ。

 従来同様、プロセッサを端末の中央部に配置して放熱性能を高めており、ベイパーチャンバーをはじめとした本体の冷却機構は従来比で20%の性能向上を果たしたとしている。本体は小さくなっても冷却性能は大幅に向上しているのだ。

 そんなROG Phone 8を実際に使ってみると性能の高さは折り紙付きだ。最新プロセッサと高性能な冷却機構の組み合わせによって、ファンなどなしでも長時間のゲームも問題なく遊ぶことができた。ストレージもUFS4.0規格の高速なものが採用されているため、セーブデータの読み出しも高速だ。

 もちろん、最新ハイエンド機のためブラウジング、SNSや動画視聴といった基本的な動作にストレスは感じない。例えばゲームでも「原神」のような高負荷なコンテンツを1時間ほど続けてプレイしても極端に「熱い」と感じることは少なかった。

ROG Phone 8
原神も快適に遊べるだけの高い性能を備える

 ROG Phoneらしく2つ目のUSB Type-C端子を本体側面に備える。横持ちでも本体側面の端子から充電することで、持ち手付近に突起を作らないようになっている。ここからの外部映像出力、急速充電も可能だ。

 独自の機能として本体側面にROG Phone ではおなじみの「Air Trigger」を備え、ゲームコントローラーでいう「L/Rボタン」の機能を割り当てることができる。今作では各種人気ゲーム用のプリセット配置も用意されており、人気ゲーム「原神」などが対応している。ゲーミングスマホらしく、3.5mmのイヤフォンジャックもしっかり備えている。

ROG Phone 8
本体側面にもUSB端子を備える

 OSについてはAndroid 14ベースの独自UI「ZenUI」を採用する。従来通りAOSPと呼ばれるAndroidの標準UI(ユーザーインタフェース)にASUS独自の便利機能が搭載される形だ。今回はゲーム用のAI機能をいくつか搭載し、ゲームのスクリーンショットから文字や画像認識で攻略情報を検索できる「AI Grabber」や、特定のゲームではAIが特定のプレイなどをアシストする「X Sense」がある。

 日本でも人気の「原神」や「崩壊スターレイル」ではいくつかの機能が利用できる。例えばX Senseではアイテムの自動回収、テキストの高速更新などは地味ながら役立つ便利な機能だ。快適にゲームを遊べるという意味では、性能向上以外の方法でユーザー体験を向上させる思想が感じられる。

ROG Phone 8
ROG Phone 8
AIによるゲームアシスト機能を備える))
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