コラム

第6回 自分に合う料金プランは何か──ドコモとauの場合ケータイの「分離プラン」を改めて考える(1/2 ページ)

前回までは「分離プラン」導入後の携帯電話の販売方式と価格を考察した。今回は端末購入方法と同様に、キャリア選択時に重要となる料金プランや通話料金の違いを改めて考えてみよう。

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実は少し分かりにくくなった、「無料通話込み」の料金プラン

1年目から基本使用料を半額にするauの割引プラン「誰でも割」(2007年7月)

 黎明期の携帯電話の料金プランと通話料金は、それが直接的には関わらないかたちで変化してきた。無料通話分という概念がなく通話先や時間帯によって通話料金が異なっていた時期を経て、無料通話分を含む基本料金プランが誕生、そして通話料金の均一化を経て現在に至っている。もう1つの流れとして、キャリア内で無料通話を可能とするプランも一般的になってきた。

 なお、国内の通信キャリアにおいて、2社で7割以上(2009年1月末現在)のシェアを持つNTTドコモとKDDIで主流なのは、基本料金に無料通話分を含む料金プランだ。利用シーン別に無料通話分や通話料金が異なるプランをいくつか用意し、主に以下のような共通の特徴がある。

  • 通話料金は通話先、時間帯に関わらず一定
  • 課金単位は30秒で一定(auに一部例外あり)
  • 基本料金に無料通話分を含む
  • 基本料金が高いプランほど通話料金が安価
  • 基本料金が高いプランほど無料通話分が多い
  • 2年の長期利用契約で基本料金を半額にする
  • 2年の長期利用契約で家族契約間の通話を24時間無料にする

 2社を比較すると、基本料金と含まれる無料通話分のバリエーションに多少の差があるくらい。基本料金がほぼ同額のものであれば含まれる無料通話分もほぼ同じで、通話料金もほぼ同額だ。なお、月々の通話時間にほとんどブレがない場合はどちらが安いという比較ができるものの、月の通話時間を意図してコントロールするのは難しい。この2社は長い料金競争の末、ほぼ同じ料金体系に落ち着いたというのが現状だ。

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ドコモのベーシックプランとauのフルサポートコース(分離プラン導入前と想定)

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ドコモのバリュープランとauのシンプルコース(分離プラン導入後と想定)

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 使い切らなかった「無料通話分の繰り越し」のサービスも同じように導入している。ドコモは回線単位で最大2カ月間繰り越しでき、2カ月後も余った分は家族契約間で共有可能。auは回線単位で無期限に繰り越すか(ただし料金プランごとに上限がある)、当月のみ家族契約間で共有するかを事前に選択しておける。

 一見、ドコモの方が柔軟と感じるかもしれないが、無料通話分は回線単位で「2カ月前の余り→1カ月前の余り」の順に消費される仕組みで、それでも「2カ月前の余り」から余った分が別の回線で消費される。乱暴に言うと、毎月無料通話分が余る回線と毎月無料通話分を使い切る回線の組み合せでないと、定常的には家族契約間での“無料通話分の共有がほとんど発生しない”ことに注意したい。こういった意味で、auの“当月のみ家族契約間で無料通話分の共有”でも十分であり、こちらの方が分かりやすかったりする。(※一部修正しました。ご指摘いただいた読者の方、誠にありがとうございます)

 もちろんドコモの“家族契約間での無料通話の共有”に意味がないことはない。しかしユーザー本位で無料通話分の繰り越しと家族契約間での共有を提供するなら、まず「当月家族契約間での共有し、その上で余った分を繰り越すべき」であると考える。(もちろんこのことはドコモのWebサイトなどで仕組みがきちんと解説されているのだが)「繰り越せて分け合える」という売り文句は、ものすごくお得であるような誤解を招きやすいということを指摘しておきたい。

 ちなみにウィルコムは「当月の家族間契約で共有の後に繰り越す」理想的な仕組みだが、こちらはウィルコム定額プランのオプションである「通話パック」での適用となる。家族で複数のウィルコム回線をメインに(ウィルコム以外への通話にも)利用した場合でないと大きな意味がないのが少々残念だ。

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