個人向けケータイサービスの顧客満足度、auがトップに――J.D. パワー調査:調査リポート
J.D. パワー アジアが実施した個人向けケータイサービスの顧客満足度調査(2012年)で、auがトップを獲得した。2009年以来、3年ぶりに首位に返り咲いた。
J.D. パワー アジア・パシフィックは10月30日、個人ユーザーを対象とする携帯電話サービスの顧客満足度調査の結果を発表した。
2012年の総合満足度でトップを獲得したのは、578ポイントを獲得したauで、2009年以来3年ぶりに首位を奪還。「各種費用」「提供サービス」の2つの領域で最も高い評価を得ている。
2010年、2011年と2年連続でトップを守っていたドコモは2位(569ポイント)となり、ソフトバンクモバイル(545ポイント)は最下位だった。
スマホシフトが進む中、顧客満足度は低下気味に
J.D. パワーによると、業界全体の顧客満足度は前年に比べて10ポイント低下しているという。「通信品質・エリア」「アフターサービス対応」の2つの領域が大幅に低下しており、通信品質・エリアの満足度が低下している背景には、急速なスマートフォンシフトに通信キャリアのインフラが追いついていない状況があると指摘している。
スマートフォンの利用率は2011年の15%から30%に倍増しており、10~30代の浸透率は41%に拡大している。スマートフォンを選ぶ理由は「機能が豊富/使いたい機能があった」という回答が多く、機能面に対する期待が高いことが分かる。
不満な点については、「動作が遅くなったり止まったりす
る」「電池が持たない」といった声が多く、リッチコンテンツの利用率が高い10~30代、40~50代で顕著な傾向にある。50代、60代では「使いたい機能が見つけにくい」という声が多く、60代では基本機能の使い方が分かりづらいという声も聞かれるという。
スマートフォンに対する不満が顕在化する中、業界全体のアフターサービス対応の満足度は低下しており、J.D. パワーでは、顧客対応に求められる知識の高度化や所要時間の増加に通信キャリアの対応が追いついていないと分析。接客担当者の知識やスキルの高度化、顧客を待たせない体制づくりが喫緊の課題と指摘している。
この調査はインターネットを通じて2012年7月に実施したもので、有効回答数は3万1200。満足度の測定については6つの要素を設定し、それぞれの要素に関連する評価をベースに総合満足度のスコアを算出している。各要素の総合満足度への影響力は「提供サービス」(27%)「通信品質・エリア」(24%)、「各種費用」(19%)、「電話機」(15%)、「アフターサービス対応」(10%)、「電話機購入経験」(5%)の順となっている。
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