スマホ時代、顧客満足度を左右するのは“店頭説明力”――J.D. パワー調査で明らかに:調査リポート
個人ユーザーを対象とする携帯電話サービスの顧客満足度調査でドコモがトップを獲得。スマホ時代には、店頭説明力が満足度を左右するようだ。
J.D. パワー アジア・パシフィックは11月24日、個人ユーザーを対象とする携帯電話サービスの顧客満足度調査の結果を発表した。2011年の総合満足度は、昨年に続いてNTTドコモがトップを獲得。同社は企業向け携帯電話サービスでもトップを獲得しており、今年も二冠を達成した。
J.D. パワーは個人ユーザー向けサービスの顧客満足度について、「通信品質・エリア」「提供サービス」「各種費用」「電話機」「アフターサービス対応」「電話機購入経験」の6項目を評価。ドコモは、通信品質・エリア、提供サービス、アフターサービス対応、電話機購入経験の4項目で他キャリアを上回る評価を得て総合満足度トップとなった。なお、各種費用で高評価を得たauは2位、電話機で他キャリアを上回ったソフトバンクモバイルは3位となっている。
スマホ時代の顧客満足度を左右する“店頭説明力”
今回の調査からは、端末購入時に店頭で受けた説明の善し悪しが、通信キャリアに対する顧客満足度に大きく影響していることが分かったという。
端末購入時に店員から、自分に合った端末選びに役立つアドバイスを受けた場合の満足度は、業界平均を44ポイント上回っており、こうしたアドバイスを受けられなかった場合に比べて90ポイント上回ったという。
この“店頭説明力”は、利用中の通信キャリアを継続するかどうか(今後1年以内のキャリア継続意向)にも影響するようで、店員からのアドバイスが役に立った場合は、「キャリアをまったく変更したくない」と回答した人の割合が業界平均を約10ポイント上回り、それ以外の場合に比べ20ポイント程度の開きがあった。
店頭説明力の重要性は、スマートフォンで増す傾向にあり、スマートフォン購入時に十分なアドバイスを受けた場合とそうでなかった場合には、電話機の「機能」の評価に大きな違いがみられたという。また、アドバイスを受けた場合とそうでなかった場合のキャリアのロイヤルティ(継続意向)の差は、フィーチャーフォンに比べてスマートフォンのほうが大きかった。
従来に比べて店頭での説明が重要になっているのは、フィーチャーフォンのスマートフォンの機能の違いによるものとJ.D. パワーは分析。スマートフォンはアプリをダウンロードして機能を拡張できることから、店頭でのアドバイスの質によって“使いこなし度合い”に違いが生じるためと推察している。
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