シンプルなデザインが美しい 北欧発のスマホ用イヤフォン「nocs」シリーズを試す:もちろん高音質(1/2 ページ)
自分にぴったりのマイク付きイヤフォンを使いたい――と思うスマホユーザーは多いはず。シンプルでスタイリッシュ、そして高音質な「nocs」ブランドの5製品を試してみた。
プレアデスシステムデザインが取り扱うスウェーデンnocs製のイヤフォンは、単なるスマートフォンのアクセサリーという範疇を越えた、オーディオ製品として十分評価できる質の高い製品だ。
それもそのはず、nocsは熱心なAppleのファン3人が、自分たちが気に入る高性能イヤフォンを生み出すため、2008年にストックフォルに設立したメーカー。今回はそのnocs製品の中から、iPhone/iPadとiPod向けのイヤフォン4製品と、Androidに対応する1製品を紹介しよう。
iPhone/iPad/iPod向け
- 「nocs NS800 Monitors Stainless steel with Remote and Mic」(以下、NS800)
- 「nocs NS600 Crush Earphones with Remote and Mic」(以下、NS600)
- 「nocs NS400 Titanium Earphones with Remote and Mic」(以下、NS400 Titanium)
- 「nocs NS400 Aluminum Earphones with Remote and Mic」(以下、NS400 Aluminum)
Android向け
- 「nocs NS400 Universal Earphones with Remote and Mic」(以下、NS400 Universal)
まず5製品に共通する点から取り上げていきたい。形状はいずれもカナル(耳栓)型で、ケーブルの途中に、通話用のマイク付きリモコンが搭載されている。ケーブル長は1.2メートルあり、スマートフォンをポケットや鞄に入れて使用するにはちょうど良い長さだ。ケーブルの形状はY字で、リモコンは分岐した右側のケーブルに付いている。
このリモコンの位置が、かなり顔に近い。装着時にリモコンを操作する場合、目で見ようとすると近すぎて逆に視野に入れにくいので、手探りで操作するほうがいいだろう。といっても、ボタンは3つ(NS400 Universalは1つ)しかなく、しかも主に操作するのは中央ボタンのみなので、直接見なくても扱いは簡単だ。
その中央ボタンを1回押すと、音楽プレーヤーの「再生」「一時停止」操作になる。また電話がかかってきた場合は、同じ動作で「着信」と「終話」が可能だ。音楽再生時に2回連続で押すと「次の曲」へ、3回連続で押すと「前の曲」への送り操作になる。上下のボタンはボリュームのアップとダウンだ。
(リモコンが顔に使いため)マイク部がえり元に来るものの、通話はそれを意識することなく快適にできた。やや下を向く格好ならマイクが口のそばに寄るので、より大きな音で音声を拾ってくれる。マイク、リモコンともに使い勝手は良好だ。では次に、各製品の特徴をチェックしていこう。
「nocs NS800 Monitors Stainless steel with Remote and Mic」
シリーズの中でも一番コンパクトなNS800は、ステンレス製ハウジングに、フルレンジのバランスド・アーマチュアドライバーユニットを搭載するハイエンドモデル。カラーはBlackとWhiteの2色がある。実売想定価格は1万8800円だ。
音は全体的にクセがなく、比較的オールマイティーに使用できる。コンパクトな外観から想像できないほど低音がよく出るが、あまり大音量にすると低音がやや割れ気味になった。これはイコライザーを“Bass Reducer”にして低音を抑えると回避できるが、せっかく低音も楽しめる製品なので、ボリュームを上手に調整してパワーが発揮できるポイントで楽しみたい。
「nocs NS600 Crush Earphones with Remote and Mic」
音質の面でちょっとユニークなのがNS600だ。ハウジングはアルミで、ドライバーユニットは「デュアル・ダイナミック・テクノロジー」と呼ばれるツィーターとウーファー2つのドライバーによるダイナミック型という組み合わせ。実売想定価格は1万3800円だが、NS800の廉価版などでは決してなく、まったくキャラクターの異なる面白い製品となっている。
独特なドライバーユニットのためか、その音は高音と低音が強調されて、中音域がスポッと抜けたような音なのだが、エージングが進んで耳も聴き慣れてくると、この音がクセになってしまうから不思議なものだ。
突き刺さるような高音が響くのだが、とにかく解像感が高い。今まで気にならなかった楽器が発する些細な音や、ギターを爪弾く音、ハープなどの弦が震えている感じが目に浮かんでくる――そんな、音を繊細に描写する面も持ち合わせている。
NS600には、コンプレッサーで音圧を稼いだ音楽より、ピアニシモからフォルテシモまで豊かな表情を持つクラシックが合うように感じる。個性が強いためオールマイティーな製品とは言い難いが、いろいろな音楽をNS600で聴いたらどう聞こえるのだろうか? と、試したくなる不思議な魅力を持った製品だ。
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