「Z1」から何が進化した? ソニー自慢の「Xperia Z2」カメラの実力を試す:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)
Xperiaの特徴と言えば、ソニー独自の高性能なカメラ。「Z1」との進化点も見つつ、「Xperia Z2」のカメラ性能をじっくりとチェックしてみた。
Xperiaならではの特殊撮影機能で遊ぶ
最後にZ2ならではの特殊撮影機能をざっくりと。
上記の各モードを前から順番にサクッと見ていこう。「タイムシフトビデオ」は新機能。タイムシフト連写の動画版っぽい名前だけど、実際には「スローモーション動画」機能(ハイスピード動画ともいう)。1280×720ピクセルのサイズになるが、普通の動画だと秒30コマなところを秒120コマのハイスピードで撮影する。それを通常の速度(つまり秒30コマ)で再生すると、4分の1の速さになる。つまりスローモーション再生となるのだ。
でも、スローモーションで5秒の動画を録ると、再生時は20秒もかかるわけで、見てると退屈。そこでタイムシフトビデオでは「撮った動画の好きなところだけをスローモーションにした」動画を作れるのだ。これは面白い。操作も面白いし仕上がりも面白い。操作は「タイムシフト連写」と同じインタフェース。
撮った動画を再生しながら、「指定した箇所だけをスローにできる」のだ。青く色がついたところが該当箇所。スローにするところの長さも設定できる。その結果がこちら。
残念なのは、このときタッチAFが使えないこと。シャボン玉映像はシャボン玉にピントを合わせたかったのだけど(右端のシャボン玉発射装置にタッチAFできればよかったのに)、後ろに合ってしまった。
「背景ぼかし」はピントをずらした写真を2枚撮って、実際より背景が大きくボケた写真を生成する機能。この機能自体はそう珍しくないのだが、新しいのは撮ったあとに「ボケ具合やボケ方」を指定できる点だ。
しかも合成の不自然さも以前よりない。これは面白い。ただまあ、前景と背景をうまくカメラ側が判断してくれるとは限らないので失敗することもあります。
「ARエフェクト」はZ1で採用された、CGと現実を合成した写真を撮れるお遊び機能。動画撮影に対応したほか、効果音を加えることができるようになった。こちらも1920×1080ピクセルとなる。
「クリエイティブエフェクト」はデジタルエフェクトフィルタ機能。動画にもかけられるほか、画面デザインもちょっと変わった。
「Vine」はショートムービーの共有サービス。「info-eye」は撮影した写真を解析して、それについての情報を得るサービス(Z1と同じだ)。「タイムシフト連写」はZ1と同様、シャッターボタンを押した前後を超高速連写して、あとから最適な1枚を選べるという機能。
「Social Live」はFacebook状で動画の配信ができる機能。「スイングパノラマ」はソニー伝統のパノラマ撮影機能。ただ途中で撮影をやめると残りがグレーのままっていう仕様はいい加減やめてほしい。パノラマ写真って、どこからどこまでをパノラマにするかを撮影者が選べないと駄目じゃないか?
「Evernote」は、撮った写真を直接Evernoteに保存できる機能。Evernoteはクラウドサービスの一種で、クラウド上のノートにテキストや絵、写真などをどんどん貼り付けることで、さまざまな情報をまとめたり詰めこんだりして管理できるサービス。わたしも愛用しております。
と、Z1から新しくなったところを中心にZ2のカメラ機能を片っ端からチェックしてみたわけだが、進化してよくなったところと、ややこしいままのところと、そろそろ改善して欲しいところ(タッチAFやスイングパノラマの仕様など)が混在してるという印象。
でもプレミアムおまかせオートで、4:3か16:9かだけを自分で決めてあとはカメラさんよろしく、とばかりに気楽に撮るのならすごくいい。タッチAFの仕様がちょっと不満だけど、写りはなかなか。Z1で見られた、ちょっと暗いとピントが合いづらいというのも改善された気がする。
動画機能もいい。4Kビデオは予想以上に素晴らしいクオリティだったし、タイムシフトビデオもやってること自体はそう目新しくないけど、使い勝手も含めてこれは遊べる。という感じ。個人的にはもうちょっと機能をシンプルにしてもいいんじゃないかという気がするけど、Zシリーズも着実に進化しております。
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