「Galaxy S6 Edge」は中身も“世界初”のオンパレード:バラして見ずにはいられない(1/3 ページ)
世界初のデュアルエッジスクリーンを搭載したSamsungのフラッグシップモデル「Galaxy S6 Edge」。分解・調査の結果、中身も世界初の部品が多数採用されていた。
2015年2月、韓Samsung Electronicsがフラッグシップモデル「Galaxy S6」「Galaxy S6 Edge」を発表した。4月10日から世界20カ国で発売され、日本でもNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社が夏モデルとして販売している。
ある調査によるとSamsungが2014年に出荷したスマートフォンはおよそ3億2千万台で、まさに世界最大級スマートフォンメーカーである。台数もさることながら、スマートフォンに搭載されるメモリや有機ELパネルでも同社のシェアは世界一だ。特にメモリは他社の製品でも広く使用されており、同社を支える屋台骨の1つとなっている。
そのGalaxy S6 edge(グローバルモデルのSM-G9250)を分解・調査し、新しくなったところ、変わったところ、世界が注目する新技術、そして今後のトレンドと日本企業との関係を考察した。
曲面ディスプレイと高級感アップで部品が爆謄
Galaxy S6 Edge最大の特徴といえば、「デュアルエッジスクリーン」と呼ばれる左右の側面が湾曲した有機ELディスプレイだ。Samsungは2014年9月発表の「GALAXY Note Edge」に右側面が湾曲したフィルムタイプの有機ELパネルを採用したが、S6 Edgeはさらにディスプレイの左右両方を湾曲させた。
現在のところこの種の有機ELパネルを量産可能なのは、SamsungグループとLGグループだけと言われ、韓国勢の独断場である。タッチパネルはアルプス電気または住友化学の製品と推定されており、ディスプレイとタッチパネルの合計推定原価は62ドルだ。
ディスプレイの側面が曲がっていることで、表面のカバーガラスも高額になった。メーカーは米国のCorningと推定される。平たいカバーガラスは大きなガラス板を切り分けて小型のカバーガラスに成型するが、本機のように曲面部分があるとこの製法は使えない。このためU字型の出口を持つ炉から両端が湾曲したガラスを引き上げて形状を整えている。当然、量産は難しくなり、平面タイプであれば1枚あたり3ドル前後のカバーガラス価格は、本機では約25ドルまで上昇した。
Galaxy S6 EdgeとGALAXY S6は、筐体にアルミ合金を採用したのも特徴だ。従来のシリーズはこの部分が樹脂製で、フラッグシップにふさわしい高級感という意味ではインパクト不足であった。
Galaxy S6/S6 Edgeはアルミ製筐体の採用で美しい光沢と頑丈さを手に入れたが、原価は猛烈に跳ね上がった。先代の「Galaxy S5」まで使用されていた樹脂製の筐体価格は高く見積もっても数ドルであった。しかし今回のアルミ製筐体は約25ドルまで跳ね上がり、最も高額な部品となってしまった。バッテリーを配置する穴などはプレス加工可能だが、それ以外は切削加工など手のかかる工程を経ている。担当メーカーはSamsung自社のほか、韓KH Vatec、中BYDと推定される。
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