MWC上海2015に見る最新中国スマホ事情 4G普及でVoLTEもスタート:山根康宏の中国携帯最新事情(1/3 ページ)
4G加入数が約2億2500万に達した中国のモバイル市場。各社がラインアップする4Gスマホも、低価格なボリュームゾーン向けだけでなく、独自ブランドの高級モデルも登場し始めた。
7月13日から17日までの3日間、中国・上海でGSMA主催による通信大型イベント「Mobile World Congress Shanghai 2015」(MWCS2015)が開催された。昨年の2014年までは「Mobile Asia Expo」として開催された本イベントには、今年も通信事業者から端末メーカーまで中国の通信関連企業が多数出展した。
加入者2億人目前、VoLTEも開始する中国移動
中国は今、4Gの普及が急激に進んでいる。中国工業情報化部によると、6月末時点での中国の4G加入数は約2億2500万に達した。このうち中国最大の通信事業者である中国移動(China Mobile:チャイナモバイル)は、4G加入者数が約1億9000万と全体の84%を占めている。同社の総加入者数は8億1720万なので、4Gの比率は20%だ。
MWCS2015の会場でも最も大きいブースを出展していたのが中国移動だ。同社ブースには最新の端末やサービスが一堂に展示されていたが、そのどれもが4Gに関係するものばかり。例えば端末はハイエンドモデルから低価格なエントリー品までスマートフォンを約30機種展示していたが、いずれも4G対応の製品だった。
中国では2015年に入ってからエントリーモデルのスマートフォンの価格下落が続いており、日本円に換算すると1万円以下となる499元の製品も数が増えてきている。ブースの担当者に話を聞いてみると最近の売れ筋のスマートフォンは価格が699元(約1万3900円)前後のもので、2Gや3G利用者からの買い替えもあり飛ぶように売れているという。
中国移動も自社ブランドでスマートフォンを販売しており、この価格帯の製品を強化している。同社が6月に発表した3モデルのうち、「A1」は699元、「N1」は999元(約1万9800円)で販売中だ。このうちA1は5型HDディスプレイ、800万画素カメラ、1Gバイトメモリとエントリーモデルとしては十分なスペックだ。
また8月に発売予定の「N1 Max」は、5.5型フルHDディスプレイに1300万画素カメラを搭載したハイエンドモデル。何かと話題のXiaomi(小米科技:シャオミ)の上位モデルと並べてもそん色のない性能を有する。価格は1000元台前半が予定されている。
中国移動自らが“低価格”“高コストパフォーマンス”“ハイエンド”という3モデルをそろえたのは、実はこのシリーズが初めてのことだ。同社が中国で4Gサービスを開始してから約20カ月がたつが、まだ8割近く残っている2Gと3Gの利用者を一気に4Gへ移行させるためには、端末メーカーの協力だけではなく事業者自らも魅力ある製品を提供する必要があると考えているようだ。
なお展示されていたモデルのほぼ全てが、3モード(TD-LTE/TD-SCDMA/GSM方式)だけではなく、さらにFDD-LTEとW-CDMA方式にも対応した“5モード”機が多かった。
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