高音質通話にタップレス発信、スマート領域も充実――ドコモ16年夏モデルは「サービス」で差別化(1/4 ページ)
ドコモが2016夏モデルの発表会を開催。新端末よりも新機能、サービス、グループ会社の商品に多くの時間が割かれ、盛りだくさんかつ、サービス事業の強化を印象づける内容だった。
5月11日に行われたNTTドコモの2016夏 新サービス・新商品発表会は、新端末の紹介は当然行われたが時間は短く、それよりも新機能、サービス、グループ会社の新サービスに多くの時間が割かれた。
加藤薫社長は、2015年4月に掲げた「いつか、あたりまえになることを」というブランドスローガンをあらためて取り上げ、快適さや感動を提供してきたことを振り返った。その上で、今夏のテーマは“暮らしの快適”だと説明。発表する新商品やサービスは、暮らしをより一層快適にするものとアピールした。
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発表された夏モデルスマートフォンも、快適さを高める4つの技術が搭載された。それが「VoLTE(HD+)」「スグ電」「おすすめ使い方ヒント」、速度がアップした「PREMIUM 4G」だ。
音声がよりダイレクトに聞こえる「VoLTE(HD+)」
2014年に日本で初めてVoLTEを導入したドコモ。この5月19日に開始する「VoLTE(HD+)」は、対応機種同士ならVoLTEを超える音質での通話が可能になるサービスだ。
VoLTE(HD+)が採用したコーデック「EVS(Enhanced Voice Services)」は、VoLTEよりもさらに広い帯域で音声をサンプリング。より肉声に近い音声で通話が可能になる。EVSは標準規格化されており、加藤社長は「EVSの標準化にはドコモも寄与している」と明言した。
発表会場では、FOMA、VoLTE、VoLTE(HD+)の3種類の音声を流して比較。「FOMAが固定電話の音質だとしたら、VoLTEはAMラジオ、VoLTE(HD+)はFMラジオ」と加藤社長が説明したように、VoLTEでもかなりクリアに聞こえるが、VoLTE(HD+)はさらにダイレクトに聞こえる印象だ。
また、音質にこだわる意味を説明するとして、青山学院大学 教育人間科学部の教授で聴覚心理学を専門としている重野純氏が招かれ、「音声によるコミュニケーションと感情の認知」と題した“講義”を行った。
重野氏は、音声コミュニケーションでどのようなことが大事かを解説。言葉を話す際には、言葉そのものの意味も重要だが、どのように言っているのかの情報、感情が重要だと説明した。高周波数を含む音声ほど感情情報が多く含まれ、よりリアルに相手の感情を知ることができるという。
つまり、VoLTEよりもさらに高周波数帯域を広くサンプリングしているVoLTE(HD+)は、円滑なコミュニケーションをサポートすることになるというわけだ。
“タップレス”で電話できる「スグ電」
スグ電については、開発担当であるプロダクト部の川村哲氏が登壇してプレゼンテーションを行った。
川村氏は「スマホの電話はフィーチャーフォンよりも使いにくい」と語り、その原因は「画面タッチの多さと両手を使う必要性があること」だと断定。片手操作ができて、少ない画面タッチの両方を実現したのがスグ電だと説明した。
スグ電を利用すると、スマートフォンを耳に当てるだけで電話を受けられるほか、ジェスチャーで電話をかけたり、切ったり、出られないときに拒否することができる。スグ電によって「画面操作をせずに、タップレスの電話操作が可能になった」(川村氏)
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