父は娘の人生をどこまでコントロールすべきなのか?(2/3 ページ)
転職前には親に事前相談するのが普通なのか否か?
――(娘側に向かって)彩華さんってどんな子供でした?
娘 親に相談しないで、一人で物事を進めてしまうタチですね。
父 いつも事後報告だよな。
娘 成人しているんだし、それが普通だと思うよ。
父 「それを独断でやるのか~」って思うことはある。例えば、転職もそう。するのは構わないけど、事前相談するのが普通じゃないの。
――“普通”の定義が、親子間でズレているのではないかと(笑)。
娘 高校も大学も、進学先は自分で決めたね。
父 それも事後報告だったよ。
娘 「早稲田なら、私立に行っていいよ」って、パパ言ってたよね?
父 そうだっけ?
娘 そうだよ。早稲田ならOKだって。まあ、最初は(難関で)行けないよと思ったけど、推薦で無事に合格したんだよ。でも、本当は地元の国立に行ってほしかったんだよね?
父 まぁ、経済的な事情でな……。できれば宇都宮周辺で決めてほしかったのは本心だ。でも、早稲田ならなんとか栃木から通学できるしさ。
娘 私、地元の宇大(宇都宮大学)には、絶対行きたくなかった。なんとなくイヤだった。
父 親としては、近場で通いやすいし、学費も安いからそっちを期待していたんだけどな。
採用面接で不採用になって落ち込む姿を親に見られたくはない
娘 高校生のときは教師を目指していて、いろんなオープンキャンパスにも出入りしてたんだ。
父 らしいね。「先生になる」と言って大学進学はしたものの、結局は教員免許も取らなかったね。
娘 教師が正しい選択かどうかが分からなくなってね……。教師もいろいろ大変だろうなって思ってさ。
父 母さんにも、進路変更の件は相談していない?
娘 しなかった。進路は自分で決めるって考えなの。
父 就職活動の経過や報告さえも、父さんにはしてくれたことがなかったな。
娘 でも決まったときは、報告したでしょ。
――親は頼りになる存在のはずなのに、なぜしなかったんですか? お父さんは内心頼ってほしがっていたかも?
娘 頼りたくないって思っていたわけじゃないんですが……なぜだろう、うまく説明できない(笑)。仮に相談しても正解はないし、自分で見つけるしかないって分かっていたんじゃないかなと。
父 まあ、父さんだって、娘の進路についての専門家じゃないし、正直よく分からない。
娘 あと、採用面接で落ちて気分が落ち込むときは、そのことは知られたくなかった。その姿を見られたくなかった……ってのも理由の1つかな。
父 なるほどね。
娘 あと、パパは“あれこれ指示せず、見守る”タイプだから、どんな選択をしても応援してくれるだろうとも思ってた。
父 その通りだよ(笑)。
大学4年のとき、父からいわれたセリフに救われた
――学生時代、反抗期はありました?
娘 明確な反抗期はなかったけど、かといって優等生でもなかった。両親に何かを失敗するところを見せたくなかったから、親とは距離は置いていたような気がする。
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