スマホのワイヤレス充電も可能 世界ルーター「Fonebud W」は日本にも導入予定:山根康宏の海外モバイル探訪記
海外で自分のスマホを使ってデータ通信をする方法は幾つかありますが、最近増えているのが、世界中で使えるモバイルルーターです。今回紹介するのは、マレーシア発の世界ルーター「Fonebud W」。大容量のバッテリーを搭載しているのが特徴です。
夏休みになれば海外旅行に行く人も多いことでしょう。今や海外旅行中であってもスマートフォンはひと時も離せません。海外で自分のスマホを使ってデータ通信をする方法は幾つかありますが、最近種類が増えているのが、世界中で使えるモバイルルーターです。これさえ持っていれば急な出張や旅行時でも現地で安価にスマホを使えます。
マレーシア発の世界ルーター「Fonebud W」は、この夏発売予定の製品です。後発ということもあり他社品にはない特徴を備えています。まずバッテリー容量は1万mAhと、最近の大型バッテリーと変わらない大きさです。このバッテリーはFonebud W本体を駆動できるだけでなく、他のスマホを充電するためのモバイルバッテリーにもなります。
しかもFonebud Wは片面にワイヤレス充電パッドを備えているので、この上にスマホを置くだけで充電できます。モバイルバッテリーでもこの機能を備えている製品は多くなく、ケーブルを忘れてしまっても充電できる利便性は海外旅行時に威力を発揮しそう。
料金プランは国ごとや周遊タイプなど多岐にわたります。日本を含むアジア17か国8日25ドルといった各国を旅行する人向けのプランや、中国24GB、180日で45ドルのように長期滞在や頻繁に出張で訪れる人向けのプランもあります。欧州37カ国8日、4GBで37.5ドルなど、日本のキャリアのローミングサービスより使いやすいものもあります。
Fonebud Wは既に幾つかの海外展示会で製品が披露されていますが、2018年7月に韓国・ソウルで行われたIoT関連製品イベント「KITAS2018」では早くも新製品を展示していました。といっても機能はそのままに外観を木目調に仕上げたバリエーションモデルです。製品化は未定だそうです。
バッテリー駆動時間は連続36時間。ルーターの電源を入れたままスマホにUSBケーブルをつないで充電もできます。普段使いのモバイルバッテリーとして使うのもいいでしょう。友人同士でシェアすれば、誰かが急に海外に行くときになっても困ることがありません。最近はMVNOを契約している人が増えていますが、海外のデータローミングサービスが利用できないものがほとんど。Fonebud Wのような世界ルーターは海外旅行に興味ある人に必須の製品です。
本体の情報は小型のディスプレイに表示されるので使い方に困ることはなさそう。データ使用量などはスマホ側のアプリで確認もできます。
日本でも発売予定とのことで、登場するのが楽しみ。韓国では8月15日に発売され、24万9700ウォン(約2万5000円)で1年間2GBのグローバルデータ料金が含まれます。最初に無料利用分が付いているので、買ってすぐに使い始められるのは便利でしょう。日本での発売を待ちたいものです。
関連記事
世界中どこでも1台で大体OK! クラウドSIMを使う「セカイルーター」とは?
「1台で全世界で使える!」「100か国以上の国をカバー!」とうたうモバイルルーターが増えてきました。その仕組みと、メリット・デメリットを見ていきます。SIMを差し替えなくてOK 世界中で通信できるスマホ「jetfon」登場 1日300MBで380円~【更新】
MAYA SYSTEMが、新型スマートフォン「jetfon」を発表。「クラウドSIM」に対応しており、SIMを差し替えずに世界中で通信が可能。料金は1日当たり300MBが380円から。「1日90円」プラスで海外データ通信! Y!mobileからクラウドSIM搭載の「セカイルーター」登場
ソフトバンクとウィルコム沖縄(Y!mobile)が、クラウドSIMを使って海外でデータ通信できる「Pocket WiFi」の新モデルを発売。その特徴に迫ります。Y!mobileが「クラウドSIM」対応ルーターを採用した理由は? ソフトバンクとuCloudlinkに聞く
ソフトバンクが、Y!mobileブランドで新たなモバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi 701UC」を投入。クラウドSIMを搭載しており、SIMを入れ替えずに世界各国で利用できる。この製品と専用プランの狙いを、Y!mobileの事業を統括する寺尾洋幸氏と、uCloudlinkに聞いた。国内100GBプランが“サンキュッパ”――夢のセカイルーター「GWiFi」の現実に迫る
BroadLineが「GWiFi」というモバイルWi-Fiルーターのサービスを開始しました。「クラウドSIM」を活用することで、国内のみならず海外でも使えることが特徴ですが、あえて“国内”で使ってみると、いろいろな現実が見えてきました。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.