ドコモが2019年に料金を2~4割値下げへ 吉澤社長「分離プランを軸に検討」:年4000億円規模の還元
NTTドコモが10月31日、2018年度第2四半期の決算説明会で、中期経営計画を発表。その中で、現行の料金プランを見直すことを予告。2019年度第1四半期に、現行プランよりも2~4割程度値下げした新料金プランを提供する。
NTTドコモが10月31日、2018年度第2四半期の決算説明会で中期経営計画を発表。その中で、現行の料金プランを見直すことを予告。2019年度第1四半期に、現行プランよりも2~4割ほど値下げした新料金プランを提供する。この見直しにより、1年あたり最大4000億円規模をユーザーに還元する。
ドコモがユーザーに調査したところ、約5割からドコモの料金は「分かりにくい」という声が上がったという。「もっとシンプルにしてほしい」「お得感が感じられない」という声に応えるべく、同社は「お得でシンプルな料金プランを提供する」計画だ。
新料金プランの具体的な内容は検討中だが、「分離プランを軸に検討している」と吉澤氏は話す。分離プランは、端末代金と通信料金が分かれたもので、(端末代金を値引く位置付けの)月々サポートは適用されない。現在ドコモが提供している分離プラン「docomo with」は、継続的に毎月1500円を割り引くもので、月々サポートは付かないが、それ以外の基本使用料やデータ通信料は他のプランと変わらない。「1500円の月々サポートがずっと続く」と解釈することもできる。
月々サポートを廃止するかどうかは決まっていないとのことだが、仮に月々サポートがなくなった場合、基本使用料やデータ通信料が安くなったとしても、端末代金を全額支払うことで支払いの総額は変わらなくなる恐れがある。吉澤氏は「(仮に)月サポがなくなることを考えても、4000億円(の還元は)は大きい。さらに、それ(月々サポート)を上回るような、値下げと判断している」と話しており、月々サポートがなくなったとしても安くなることが期待される。
なお、ドコモは「お客さまのご利用状況によっては記載の(2~4割の)値下げ水準にならない場合があります」と説明しており、全ユーザーの料金が安くなるとは限らないことは留意しておきたい。
今回の値下げ予告は、菅義偉官房長官の「携帯電話料金は4割値下げできる余地がある」という発言がきっかけになっていると思われるが、吉澤氏は「ドコモが自主的に動いた」とこれを否定する。
ドコモは中期経営計画の「beyond宣言」の中で、ユーザーによりお得、便利に感じてもらえるよう「マーケットリーダー」になることを目標に掲げている。今回の料金見直しはその一環であるとともに、2019年にキャリア参入する楽天も意識したそうだ。「2019年度下期から新規事業者(楽天)が参入する。市場環境が変化していく中で、19年度第1四半期に(新料金プランを)開始することで、競争力と顧客基盤を強化できる」と吉澤氏は狙いを話す。
年間4000億円規模のユーザー還元により、当面は減益となり、2021年度の営業収益は5兆円を見込んでいるが、顧客基盤を強化することで、2023年度には2017年度と同水準となる、営業利益9900億円まで回復させる見込み。
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