スマホを持たない7割のシニア層へ ドコモと富士通が語る「らくらくスマホ」戦略(1/2 ページ)
シニアのスマートフォン率はわずか3割。そんなシニアのスマホ移行を狙う機種が「らくらくスマートフォン」だ。最新機種の「F-01L」では、どんな機能をシニアに訴求していくのか。
NTTドコモと富士通コネクテッドテクノロジーズが、2月15日に発売した「らくらくスマートフォン me F-01L」の新CM発表会と製品説明会を開催。富士通コネクテッドテクノロジーズの高田克美社長と、NTTドコモ 営業本部 マーケティング部 マーケティング戦略部門の川口達哉氏が、新製品についての戦略を語った。
シニア層に訴求する4つの新機能
高田氏によると「らくらくシリーズの出荷台数は3000万台に達した」という。60歳以上のスマートフォン所有率について「約4300万人のうち、3割の約1300万人がスマートフォンを使っているが、使っていない人は残り7割の約3000万人もいる」と説明する。
たった1台のスマートフォンで、決済やナビゲーション、SNSなど多種多様なサービスが使えるようになったが、高田氏は「スマートフォンを活用すると、日々の生活が豊かで便利になることが、世の中の人に伝わりきれていない」と言う。社会インフラにもなりつつあるスマートフォンの重要性を改めて強調した上で「新機種では、シニア層がよく使う機能を新たに搭載した」と説明した。具体的には4つある。
1つ目は「花ノート」アプリ。これは、カメラで花を撮影すると、人工知能が自動で解析し、花の名前や花にまつわる情報が画面に表示される。これまでらくらくスマートフォンを使ってきたシニア層は人物や風景よりも花を撮る人が多いことから搭載を決めた。
2つ目は背面の脈拍センサー。指で触れるだけで、血管年齢や身体のストレスを計測できる。通話中の声から心の健康度も測れる。
3つ目は通話中に振込詐欺を防ぐ機能。発信時に還付金詐欺と思われる会話からキーワードを検出し、会話の録音と音声ガイダンスで録音を行う旨を通話相手に伝える。
4つ目はFMラジオチューナーを内蔵したこと。災害時にモバイルデータ通信網が遮断されても、FMラジオは聴けることが多い。この他、インターネットラジオ「radiko.jp」や、ワンセグにも対応するので、情報取得手段として役に立つ。なお、新機種はFM放送とradiko.jpを切り替えてラジオ番組を聞くことができる。ドコモや富士通は通称「ラジスマ」としてアピールしていく。
従来機種からの安心機能も継承されている。通話機能では、騒がしい場所でも相手の声を聞き取りやすいように「はっきりボイス」や、ドコモの高音質技術「VoLTE」に対応している。
画面の見やすさも健在だ。通話やブラウザなどアプリの閲覧時には、従来機種よりも大きな文字サイズで表示される。
本体のデザインにもこだわっており、手になじむように丸みを帯びた形を採用。内部の基板やパネルなどもラウンドしている。耐衝撃、防水、防塵(じん)対応に加え、泡タイプのハンドソープで洗うことも可能だ。
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