ドコモの「ギガホ」「ギガライト」 どこがauやソフトバンクと違う? 比べてみた(1/2 ページ)
NTTドコモの新料金「ギガホ」「ギガライト」は、一見するとauやソフトバンクの新プランと立て付けが同じように見えます。果たして、どのキャリアが一番おトクなのでしょうか。現時点で分かっている情報をもとに、細かい違いを確かめしつつ比べてみましょう。【訂正・追記】
NTTドコモの新料金プラン「ギガホ」と「ギガライト」が発表されました。
ドコモの吉澤和弘社長は「最大4割の値下げ」とアピールしましたが、両プランでは「月々サポート」や「docomo with」とった月額料金の割り引き(購入補助)が適用されず、本稿執筆時点ではこれに代わる購入補助サービスも未発表であることも手伝って、割高感が拭えません。
端末購入補助を廃止したいわゆる「分離プラン」は、2017年にau(KDDIと沖縄セルラー電話)が、2018年にはソフトバンクが先行して導入しています。
- →音声+データ込みで月額2980円から 「au ピタットプラン」提供
- →20GBプランが音声+データ込みで月額6000円から 「au フラットプラン」提供
- →動画・SNS使い放題+月間50GBで7480円から(割引なし時)――ソフトバンクが「ウルトラギガモンスター+」発表 「月月割」は原則適用不可
「大容量のデータプラン」と「段階制のデータプラン」という選択肢という面でも、ドコモはある意味で両キャリアの“後追い”となっています。
ドコモとau、ソフトバンクの「分離プラン」は一体どこが違うのでしょうか。現状で分かっていることをもとに比べてみましょう。
【訂正:17時25分】初出時、「auフラットプラン30」の価格設定が誤っていました(誤:7000円→正:8000円)。おわび申し上げると共に、表を差し替え、文章の一部を修正いたしました
(記事中の価格は、特記のない限り税別です。月額料金は2年契約時のもので計算しています)
大容量プランは「横ばい」 家族利用で初めて差が出る
まず、各キャリアの「大容量データプラン」を比較してみましょう。
単純に料金を並べると、こんな感じになります。
【訂正:4月22日14時15分】下表においてソフトバンクの「通話準定額」「通話定額」の料金が誤っていました。おわび申し上げると共に、表を差し替えました
ドコモのギガホを基準に考えると、auは20GBと30GBの二択からデータ容量を選べること、ソフトバンクはより大容量の50GBで提供していることが料金以外の違いとして挙げられます。
30GB同士で比較すると、ドコモのギガホはauフラットプラン30よりも安い設定となっています。分離プランの大容量データプランとしては、他社に対しても挑戦的な価格設定と考えていいでしょう。
各キャリアの固定ブロードバンドサービス(ドコモ光、auひかり、SoftBank光/SoftBank Air)の「セット割」を加味すると、こんな感じです。
ご覧の通り、各キャリアともに割り引き額が1000円なので、これだけでは価格差は生まれません。
では、「家族割引」を適用した場合はどうなるでしょうか。
ドコモは、ギガホとギガライトで家族の人数に応じて割り引き額を変動する仕組みを設けています。この仕組みはソフトバンクも同様であるため、それ自体が「斬新」かといわれるとそうではありません。
素の料金を一見すると「ドコモのギガホは高い」という印象を持ちがちですが、家族割を加味すると、その仕組みのないauが最も高価となるため、「ギガホ=高い」とは言いきれなくなります。
家族の複数契約による割引が一番大きいのはソフトバンク。4回線(4人)以上で利用すると、1回線あたり月額2000円が割り引かれます。4回線以上なら月間データ量がもっとも多いソフトバンクがもっとも安価という点は見逃せません。
端末の代金を含めるとどうなる?
分離プランは「端末代金が高くなる」としきりに言われています。そこで、大容量プランに端末代金を含めて試算してみましょう。
機種は「iPhone XS」の256GBモデルで。機種代金は各キャリアのオンラインショップでの価格を利用し、代金は分割払い(ドコモは24回払い、他キャリアは48回払い)で、auとソフトバンクは推奨される「割賦残債免除サービス」にも加入した状態で算出します(※1)。
※1 ドコモは新プラン提供と同時に「機種変更応援プログラムプラス」(無料)の新規加入を終了するため、計算上は加味していません
まず、1人で使う場合ではどうでしょうか。各種割り引きを一切使わない状態で計算します。
税込の月額料金は、ドコモが1万3367円、auが1万1010円、ソフトバンクが1万1308円。端末の分割払い回数の少ないドコモがどうしても高価になってしまいます(もちろん、auやソフトバンクも24回払いにすると高くなります)。
続いて、固定ブロードバンドとのセット割と、家族割引(4回線以上)と割り引きをフル適用した場合で試算してみます。
ドコモだけ見ると、各種割引のおかげでギガホに近い従来プランで契約した場合との差がほぼなります。ただ、端末代金の分割回数の少ないドコモが一番高いこともあり、auやソフトバンクの方が安くなることは相変わらずです。
端末の支払い回数を全て「24回払い」にそろえた場合はどうなるのかも確認してみます。auは推奨される割賦残債免除サービスに加入した状態で算出します(※2)。
(※2)auの「アップグレードプログラムEX(a)」はiPhoneのみ加入できます 。ソフトバンクは24回払いで加入できる割賦残債免除サービスが存在しません(48回払い時は「半額サポート」を前倒し適用する「1年買い替えオプション」があります)
【追記:4月23日12時45分】「24回払いの時の比較を見たい」というご意見を複数頂いたことから、表を含めて追記しました
各種割り引きを適用する前の価格では、ドコモが一番安くなります。一方、auは「アップグレードプログラムEX(a)」の定額料が入る分若干高めとなります。
固定ブロードバンドとのセット割と家族割引(4回線以上)を適用した場合は、24回払い時と同様にソフトバンクが一番容量があって一番安価ということになりますが、ドコモとの金額差が縮まります。
こうして見ると、今後発表されると予告されている月々サポートに代わる「端末購入補助」が注目ポイント。「ギガホ」が本当に安くなるのかどうかは、この内容次第といえます。
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