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「ZenFone 6」発表、フリップカメラ搭載でノッチなし その中身を徹底解説する(3/3 ページ)

ASUSが新フラグシップスマホ「ZenFone 6」を発表した。ノッチのない狭額縁ディスプレイとモーターで駆動するフリップカメラが特徴。ASUS本社で実機に触れる機会を得たので、本機の新しさを徹底解説する。

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シンプルなZenUIがサクサク動く

 ZenFone 6のプロセッサは、フラグシップモデルにふさわしく現時点で最高レベルの処理能力を誇るQualcommのSnapdragon 855。最近のハイスペックスマホとレスポンスを比較したデータが示されたが、ZenFone 6の素早さが際立っていた。実際、ASUS独自のユーザーインタフェース「ZenUI 6」が、ZenFone 6でサクサクとスムーズに動いていた。


主要なハイスペックスマホと、アプリを終了してホーム画面に戻る時間や写真のギャラリーを表示する速さなどを比較。いずれもZenFone 6が勝っていた

 これは、端末のメモリ性能を賢く管理する「OptiFlex」の効果もあるようだ。OptiFlexによって、頻繁に使うアプリ、また機械学習によって次に使うと予測されたアプリはメモリ内に取り込まれ、素早く起動できるようになる。

 ZenFone 6の操作は基本的にAndroid標準を踏襲している。Android Qで追加される予定の「ダークモード」もサポートしている。また、大画面でも片手で操作しやすいように、表示が画面下段に移動する機能も備えている。プリセットアプリは少なめで、ZenFone 2以来最も少なくなっている。

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ダークモードに対応する

 本体右側面の上部には、ワンプッシュでGoogle アシスタントを起動できる「Smart Key」がある。2度プッシュすると、Google アシスタントを呼び出して天気や自分の次の予定などを確認でき、長押しするとGoogle アシスタントで会話できる。なお、Smart Keyで呼び出す機能はカスタマイズできる。「お休みモード」や「自動回転」なども設定可能なので、よく使う機能を設定しておくと便利だ。


本体右側面にあるSmart KeyのワンプッシュでGoogle アシスタントを起動できる

Smart Keyで呼び出す機能はカスタマイズが可能

 プライバシーに配慮した「Private Listening」という機能も用意されている。Google アシスタントが話すスケジュールの内容など、アプリの音声を周囲の人に聞かれたくないとき、ZenFone 6を音声通話時のように耳に当てると、音声は受話口から再生される。なお、耳から離すとスピーカーから再生する。


プライベートリスニングをオンにすると、端末を耳に当てて、アプリからの音声を受話口から聞ける

 さらに「Smart Volume」は、周囲の環境に合わせて、着信音やLINEやメッセンジャーなどの呼び出し音、オーディオ、動画アプリの音を自動で調整する機能。静かな会議室では小さく、騒がしい場所では大きな音量で再生する。静かな場所で着信音が鳴っても、それほど気まずくならないかもしれない。


スマートボリュームの設定画面。電話の着信だけでなく、LINEなどの通話アプリでも設定できる

 ASUSはAndroid Q βプログラムに参加することが発表された。ZenFone 6はAndroid Qにいち早くアップグレードできることになる。また、その次のAndroid Rへのアップグレードも保証されている。最新のAndroidにアップグレードして長く使い続けられそうだ。

テクノロジーを愛するASUSらしい1台

 説明会にはジョニー・シー会長も登壇して「ZenFone 6は技術革新への情熱と持続性を体現するもの」と語り、グローバルテクニカルPRディレクターのChih-Hao Kung氏は、「ASUSらしさ、ZenFoneのDNAとは何かを考え、技術への情熱、問題点に対する驚きの解決策を探すこと」をベースにZenFone 6を開発したと説明した。超

 狭額縁のディスプレイや、技術力をフルに生かして実現したフリップカメラに、ASUSのテクノロジーに対する熱い姿勢を感じる一方、ワイヤレス充電を見送り、便利さを優先して3.5mmのイヤフォンジャックを残すなど、ユーザーフレンドリーな視点も随所に感じた。ZenFone 6はテクノロジー好き、ガジェット好きの琴線に触れる1台であることは間違いない。

 なお、説明会では、ZenFone 6のデザイン案や分解モデル、製造工程途中の部品なども展示されていた。


重ねて配置されている2つのPCB(写真中央)

フリップカメラのモジュールを分解したところ

ステッピングモーターとギアケース

1つの部品にさまざまな方法を試して、最終的な加工を決定している

背面パネルの試行錯誤

スクリーンのデザイン案。ノッチを採用する案もあったことが分かる

デザイン案のイラストも展示されていた

(取材協力:ASUS JAPAN

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