富士通、プライベートLTE対応の法人スマホ「ARROWS M359」を発表 5G端末にも意欲
富士通コネクテッドテクノロジーズが6月7日に新製品説明会を開催。キャリア向けスマートフォン新機種の特徴を紹介するとともに、法人向けの新スマホを発表した。高田克美社長は、5G端末の投入についても意欲を見せた。
富士通コネクテッドテクノロジーズは、2019年夏モデルとして、スマートフォン2機種、ケータイ1機種、通訳デバイス1機種を投入する。同社は6月7日に説明会を開催し、これら新製品の特徴を紹介するとともに、法人向けの新機種を発表した。
arrows Beシリーズは100万台以上売れている
arrows Be3は同シリーズの3世代目として投入されるモデル。富士通コネクテッドテクノロジーズの高田克美社長は、arrows Beシリーズの累計販売台数が2019年4月に100万台を突破したと述べた。この理由については「堅牢(けんろう)性を兼ね備えながらも、低価格でコストパフォーマンスに優れていることが、いろいろな人から評価されている」と説明した。
一方、2千万人に及ぶ日本のガラケーユーザーのニーズにも応えるべく、ケータイの新機種として「arrows ケータイ F-03L」も投入する。
arrows Uはソフトバンクとしては6年ぶりとなる新機種だが、本体サイドにGoogleアシスタントが起動できるボタンを搭載していることが大きな特徴。
ここまで多種多様な製品を出すのは「スマートフォンが成熟し、高価格の機種が中心に増えていること、幅広いニーズに応えたい」などの思いから、製品数を2018年よりも増やした。
プライベートLTE対応の法人スマホ
富士通コネクテッドテクノロジーズは、法人向けのSIMロックフリースマートフォン「FUJITSU Smartphone ARROWS M359」を2019年10月以降に順次発売する。本機最大の特徴は、sXGPに対応し、自社内のみで使えるLTE網(プライベートLTE)を実現できること。セキュアで安定した無線通信環境を自営で広範囲へ構築でき、工場や工事現場など、設備を構築したネットワークエリア内で活用できる。設備費は導入する企業側が負担し、そのネットワーク内での利用であれば通信料金は発生しない。
対応するネットワークは自営の他にもNTTドコモ、au、ソフトバンクの3G/LTEネットワーク網や、Wi-Fiのみでも安定した通信ができるWi-Fiハンドオーバーなどがある。ユーザーの利用環境に合わせて、アクセスポイントを切り替えるWi-Fi電波強度を設定する専用ツールを無料で提供する。これにより、倉庫や病院などの広い場所でVoIP通話中に移動しても、安定した通話もできるという。
ARROWS M359のデザインとディスプレイサイズは「arrows Be3 F-02K」と同等。画面割れしにくい設計や、泡タイプのハンドソープで洗えること、防水・防塵(じん)性能を備え、MIL規格の23項目に準拠している点も共通する。
堅牢性もさることながら、本機は新たに耐薬品性能も備えている。病院や食品を扱う現場などは衛生面での配慮が必要。インプロピルアルコール、エタノール、次亜塩素酸ナトリウムなどの化学薬品による拭き取りができるため、常に清潔な状態で端末を維持できるという。
同社は法人スマホの活用用途についてもデモで説明した。例えば病院では、注射や点滴を間違いなく投与するために、患者や注射器のバーコードを読み取って、双方のデータが合致するのかをスマホで確認できる。
また、用途に応じて画面内に企業ロゴを入れたり、不要なアプリをダウンロードできないようにしたりできるサービス「カスタムメイドプラス」にも対応する。プリインストールされている「診断サポートアプリ」を使うことで、問題発生時の状態を専門技術者が確認し、解決をサポートする「技術サポートサービス」も提供する。
高田氏は法人のモバイル市場について「堅牢性が求められる工事現場などでは、通信機器の活用範囲がまだ狭い」と指摘した。ARROWS M359を使うことで「コンビナートや大規模な工場などでも、自営のプライベートLTEが役立つ」とアピールし、「長期利用できる安心の電話サポートを用意している」と新機種について自信を見せた。
5Gについても言及
高田氏は、2018年4月からのポラリス・キャピタルグループとの新体制について「端末を製造しているジャパン・イーエム・ソリューションズとともにポラリス側のノウハウを生かし支援を受けながら、端末にとどまらず引き続き事業を拡大していく」と述べた。
5Gについては「東京オリンピックに向けて準備が進んでいる。弊社としてはまだ技術開発の段階にあり、最先端の5Gネットワーク網に対応する端末についても準備が整い次第紹介したい」と述べた。
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