ソフトバンクと本田技術研究所、商用レベルの環境で5Gコネクテッドカーの技術検証を完了
ソフトバンクと本田技術研究所が、商用レベルの5Gネットワーク環境におけるコネクテッドカーの技術検証を実施。さまざまな条件で安定した通信が行えることを確認した。
ソフトバンクと本田技術研究所は11月11日、商用レベルの5G(第5世代移動通信技術)ネットワーク環境下におけるコネクテッドカーの技術検証を完了したことを発表した。この検証は、5Gを活用したコネクテッドカー技術の共同研究の一環として行ったものとなる。
今回の技術検証では、本田技術研究所が持つ北海道上川郡のテストコースに実験基地局を設置し、商用環境を想定したノンスタンドアローン(NSA)標準仕様に基づくネットワークを構築して行われた。5Gネットワークの通信インフラには3GPP Release 15規格に準拠したノキア製の通信機器、車載器にはクアルコム製の「Qualcomm Snapdragon X50 5G モデム」を採用した「Qualcomm Connected Car Reference Design(CCRD)」を使用し、車両は本田技研工業が市販している乗用車を用いた。
無線検証では、停車した状態で通信方式(64QAM、256QAM、2×2 MIMO、4×4 MIMO)の組み合わせなどを変えて通信品質を検証する「定点試験」、走行する車両の速度(30km/h、60km/h、100km/h)を変えて通信方式の組み合わせごとの通信品質や基地局の切り替え(ハンドオーバー)検証を行い最適なパラメーターを探る「走行試験」、ケーブルの取り回しやアンテナの設置位置や本数、種類などを変えて通信品質を検証しつつ5G接続の最適な組み合わせを探る「車両特性試験」を行った。
ユースケースの検証では、見通しの悪い交差点で周辺車両の位置情報の伝送、前方車両の急ブレーキ情報を後続車両へ伝送、車載カメラ映像を基に道路上の落下物を特定して周辺車両へ伝送、高画質な4K映像の伝送や車載カメラの二次利用などを行った。
この技術検証では、最大1Gbpsのスループットを達成。車載器とアプリサーバー(5Gネットワーク外)との間の遅延(レイテンシー)は平均17ミリ秒以下を実現するなど、さまざまな環境で安定した通信を実現したという。Massive MIMOを用いてビームフォーミングやビームトラッキングを行うことにより、走行時も安定した通信ができることも確認した。
両社は3GPP Release 151規格に準拠した商用レベルの通信機器などを使用し、256QAM/4×4 MIMOを用いて走行試験に成功したのは世界初としている。
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