スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2019:審査員が選ぶ「2019年を代表するスマホ」5機種(2/4 ページ)
ITmedia Mobileは12月中旬、2019年を代表するスマートフォンを決定する「スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2019」の審査会を開催しました。選考対象となるスマホは2018年12月から2019年12月中旬までに発売した機種。審査員が選定した5機種の理由を紹介します。
太田氏:ソニーがようやく“本気のXperia”を出した
・推薦機種……iPhone 11 Pro、HUAWEI P30 Pro、Galaxy Note10+、Xperia 5、OPPO Reno A
iPhone 11か「iPhone 11 Pro」で悩みましたが、私が買った11 Proを選びました。2019年のスマホカメラのトレンドは超望遠と超広角ですが、iPhone 11シリーズは、超広角の楽しさを伝えたと思います。2018年はXSとXRという売り方をした中で、今回は11と11 Proに分けて、うまくプロモーションをしたなと。だから11が売れたのだと思います。ただ、望遠も含めて3眼になったこと、物議を醸したデザインも含めて11 Proを選びました。
超望遠カメラに関しては、高い倍率の望遠写真が撮れる「ペリスコープ(潜望鏡)レンズ」を搭載したOPPOとHuaweiが、新たなトレンドを作れたと思います。Huaweiは米中の貿易摩擦もあって発売が遅れて、先行きが不安視されていますが、端末としての出来は良いと感じたのでP30 Proを選びました。
Galaxy Foldは高すぎて手が出ず、現実的なところで「Galaxy Note10+」を選びました。まだ買えていないのですが、買うつもりで、自分が今一番買いたい機種です。個人的に使っていて楽しかったのが、手書き文字のテキスト変換です。カメラも進化しています。個人的な意見としてずっと言い続けているのは、Galaxyシリーズのカメラは、料理がおいしく撮れることです。その料理撮影のUI(ユーザーインタフェース)が、今使っている「Galaxy Note8」から劇的に使いやすくなっていることも評価しました。
ここ数年迷走していた感のあるソニーも、ようやく本気のXperiaを出してくれました。Xperia 1もありますが、持ち心地やカメラのUIを考慮した結果、「Xperia 5」を選びました。Xperia 5ではカメラに指が触れると、それを知らせる機能を搭載しています。ユーザーに対する開発陣の気配りがあり、日本メーカーらしいと思いました。
Reno Aはコスパに加え、日本市場に特化した製品を本気で作ってきたこと、Huaweiの空きそうな席を、取りに来ていることに注目しました。そこにXiaomiも入ろうとしていますが、そうした中国メーカーの勢いを象徴する端末だと思います。楽天モバイルのMNO参入に合わせて出してきたことも評価しました。
佐野氏:ミドルレンジを本気で評価する時期になった
・推薦機種……OPPO Reno A、Pixel 3a、Galaxy Note10+、Xperia 1、HUAWEI P30 Pro
2019年はミドルレンジかハイエンドを3機種にすべきかで悩みました。結局ミドルを2機種にしましたが、そろそろミドルレンジを厚く評価してもいい時期になったと感じています。それを象徴しているのがReno Aです。OPPOが参入2年目までにFeliCaを載せて、日本市場を本気で攻めることを示しました。あの価格を他のメーカーが追随するのは大変でしょうね。
他のミドルレンジで特徴的だったのが「Pixel 3a」でした。Googleのスマートフォンは、機能面ではAIがすごいのですが、ハードウェアとしての魅力はまだ低いと感じます。となると、Pixel 3aぐらいの価格帯で勝負するのが一番しっくりきます。あの値段であのカメラ性能を実現したと考えると、かなり評価できます。
ハイエンドで安定して使えるメーカーは、Apple、サムスン、Huaweiの3社だと思います。しかし、2019年のiPhone 11は、売り方はうまかったと思いますが、端末としての面白みがあまり感じられなかったので、iPhoneは外しました。
Huaweiに関しては、2019年は政治的に振り回された部分があって不遇でしたが、P30 Proあのカメラ性能をあの価格(8万円台)で出してきたことは大きいと思います。同時期に出たGalaxy S10とP30 Proを比べると、P30 Proの方が勝ると感じましたが、サムスンの作りの良さは評価できるので、SかNoteかを考えて、Galaxy Note10+を選びました。
Xperiaはようやく評価できるレベルに戻ってきたなと思います。まだ作りが粗い部分はありますが、21:9のディスプレイや瞳AFなど、いろいろな技術で特徴を出せるようになってきたことを評価します。
ちなみに、ミドルもハイエンドも次点はシャープです。具体的にいうとAQUOS sense3と「AQUOS zero2」です。2019年のシャープは、出来はいいんですけど、面白みが足りず、ちょっと悩みました。
島氏:価格の“2019年らしさ”に驚いた「LG G8X ThinQ」
・推薦機種……LG G8X ThinQ、Xperia 1、OPPO Reno A、Galaxy Note10+、iPhone 11
2019年らしさでいうと「LG G8X ThinQ」とReno Aが挙がります。
「LG G8X ThinQ」は機能も魅力的ですが、価格(安さ)が特に2019年を象徴しているなと。政府によるスマートフォンの販売や割引に関する規制がかかる中、あの価格(税込み5万5440円)にした秘密は何なのか。非常に2019年を象徴しているなと感じました。
Reno Aは、OPPO参入後の日本市場向けモデルへの取り組みの成果と、各種規制や米中貿易摩擦による市場の変化、この両方が重なる最高のタイミングで投入された2019年らしいモデルです。
Xperia 1は縦長のディスプレイで、2つのアプリを同時に操作しやすいというソニーモバイルの新しい提案が素晴らしいと感じました。横幅をスリムにすることで携帯もしやすく、実は2画面スマホ関連の提案としては一番現実的だと思います。ただ、細かい機能は他社に追い付いておらず、フラグシップなのに、後発で完成度の高いXperia 5の改良点が反映されないままなのは気になります。
Galaxy Note10+はディスプレイ、ペンを含む情報の処理性能、ゲーミング向けの放熱性能ともにいいです。特にカメラは、どのシーンでも補正しすぎず適度な鮮やかさで撮影できるバランスのよさが素晴らしいですね。やや高額ですが、お金が余っているならベストの機種です。
iPhone 11は、Appleがマーケットに引っ張られたのか、XR後継モデルにメインの製品名を冠して価格を下げて投入するという意外さ、買いやすい製品に仕上がった点を評価しています。
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