海外版「Xperia 10 II」はデュアルSIMに対応、香港では3万円台で販売中:山根康宏の海外モバイル探訪記
ソニーモバイルのミッドレンジスマートフォン「Xperia 10 II」は、海外でも販売されています。海外モデルでは、日本にはない特徴としてデュアルSIMに対応しています。香港で販売されているモデルは、他国と比べて激安であることも分かりました。
ソニーモバイルのXperiaシリーズ2020年モデルは、フラグシップとなる「Xperia 1 II」だけではなく、ミドルレンジモデルの「Xperia 10 II」も日本で発売されました。Snapdragon 665を搭載し、トリプルカメラを備えた普及価格帯モデルとして人気の製品になるでしょう。
Xpeia 10 IIはもちろん海外でも販売されています。海外では2019年モデルとして「Xperia 1」「Xperia 10」「Xpeia 10 Plus」が発売され、その中でも小型でスリムサイズのXperia 10の人気が高かったように思います。Xperia 10 IIはその後継モデルといえることから、再び大きな注目を集めそうです。
21:9のシネスコサイズのディスプレイを採用したXperia 10 IIは、6型ディスプレイモデルながらも本体幅が69mmと手の小さい人でも楽に持てます。大きい画面は魅力的ですが、片手で自在に扱えるサイズも捨てがたいもの。しかも縦に長いディスプレイのため、画面表示エリアが狭いということもありません。重量は151gとかなり軽量です。前モデルのXperia 10が162gなのでさらに軽くなっています。
カメラは1200万画素を含むトリプル仕様で広角、超広角、望遠をカバー。バッテリーは3600mAhです。Xpeira 10は1300万画素の広角と深度測定のデュアルカメラだったことを考えると使い勝手は大きく向上しています。バッテリーも2870mAhでした。このようにXperia 10 IIはXperia 10と比較するとマイナーチェンジではなく、大幅な進化を遂げた製品になっているわけです。
さて、ここまでの性能は日本向けXperia 10 IIと変わりはありません。しかし海外モデルは日本にはない大きな特徴があります。それはデュアルSIM対応です。設定画面を見ると、海外販売モデル(今回の写真は香港販売品)のデバイス名は「XQ-AU52」。電話番号の表示部分に「SIMスロット1」「SIMスロット2」の表示が見えます。
側面のSIMトレイを指先で引き出すと、トレイに「SIM 1」「SIM 2」の文字も見えますね。奥がSIM 1で手前がSIM 2またはmicroSDを装着できます。日本ではキャリア販売となることからシングルSIMモデルのみとなるようですが、それ以外の販路からはぜひデュアルSIM版を出してもらいたいものです。
ところで、筆者の住む香港で販売されるXperia 10 IIにはもう1つの特徴があります。Xperia 10 IIの価格はドイツで369ユーロ、ソニー人気の高い台湾では1万1490台湾ドル、そしてシンガポールでは569シンガポールドルです。それぞれ日本円にすると約4万5500円、約4万1900円、約4万4300円とほぼ同一です。ところが香港では2599香港ドル、約3万6500円と他国より2割弱も安いのです。
これはもしかすると、香港が中国大陸から中国メーカーの低価格スマートフォンが輸入されやすく、ミッドレンジモデルの価格を引き下げないと販売しにくいからかもしれません。残念なことにXQ-AU52には技適がないので、日本で使うには一定の申請が必要で、そのまま持ち込んで利用できませんが、この価格は本体性能を考えると激安といえます。
なお、中国ではまだXperia 2020年モデルは発売されていません。香港販売品は中国のソニー好きの消費者も狙っているかもしれませんね。Xperia 10 IIが香港や中国でのXperia人気を高めてくれるかもしれません。
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