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中国の5Gスマホ販売数は5G契約者の約半数 その理由はiPhoneにあり?:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)
中国の5G契約数は約1億だとみられている。低価格な5Gスマートフォンの登場により、中国の消費者の興味は5Gにフォーカスしているが、5G契約者でも4Gスマートフォンを使っているケースがある。中国でも人気の高いiPhoneが5Gに対応していないからだ。
5Gスマホの販売数は5000万台程度
では5Gの利用者実数はどれくらいいるのだろうか。工信部は毎月中国の携帯電話・スマートフォンの出荷台数の統計を出している。それによると、中国の5Gスマートフォンの出荷台数は以下のようになっている。
- 2019年(7月~12月):1370万台
- 2020年(1月~5月):4610万台
- 合計:5980万台
これは出荷台数なので、実際にはこのうちの8割程度が販売されたとすれば、市場で実際に使われている5Gスマートフォンの数は5000万台程度と推測できる。つまり5G契約者数のうち、5Gを使っているユーザー数はその半分程度なのかもしれない。
このように、5Gユーザーの数に関してはキャリアの公表する数字がそのまま当てはまるのではなく、実際にはかなり少ない数字になりそうだ。とはいえ、中国が世界最大の5G大国であることに変わりはない。
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Huaweiは6月24日に上海に世界最大のフラグシップストアをオープンさせた。付近にはAppleやSamsungの大型店舗もあるが、10機種以上をそろえる5Gスマートフォンを展示し、5Gに興味を持ち始めた中国の消費者の足を自然と向けさせる場所になるだろう。スマートフォンメーカーが5Gシフトを一気に進め、キャリアもユーザーの5G移行を強力に推し進める中国。5G利用者数の実数はさておき、5G契約数の伸びはこれからさらに加速していくだろう。
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