Xiaomiの5Gスマホ「Poco F2 Pro」は、収納式インカメラや8K録画に対応したハイエンド機:山根康宏の海外モバイル探訪記
Xiaomiのスマートフォンブランド「Poco」は、ハイスペックな特徴を持っていますが、ここ最近は新機種が乏しい状況でした。そんな中で登場した「Poco F2 Pro」は、5Gに対応し、Pocoブランドの新たな方向性を示しています。本体左上に収納するポップアップ式のインカメラや、8K動画撮影が可能なカメラを搭載しています。
2018年8月にXiaomiが立ち上げた「Poco」は、ハイスペックCPUや水冷システムを搭載し、本体の仕上げも高めることで従来のXiaomi製品のイメージを変えようとした新ブランドでした。しかし初代「Poco F1」が登場してから1年以上後継機が出てこなかったのです。2020年2月に登場した「Poco X2」は、同じXiaomiの「Redmi K30」のリブランド品に過ぎませんでした。
そのPocoの最新モデル「Poco F2 Pro」は5Gに対応し、さらにPocoブランドの新たな方向性をアピールする製品として登場しています。
プロセッサにSnapdragon 865を採用、6.67型(1080×2400ピクセル)のディスプレイを搭載しています。このあたりはXiaomiの最上位5Gモデル「Mi 10」シリーズと変わりませんが、よく見るとインカメラが見当たりません。
インカメラは本体左上に収納するポップアップ式。Xiaomiの製品の中でもこのカメラを搭載するモデルは少数派です。モーターを使うため構造が複雑になるデメリットはありますが、ディスプレイ表示を遮るものが一切なくなるという大きなメリットがあります。せっかくの大画面をノッチなどが場所を取るのはコンテンツ再生時に邪魔な存在です。
本体側面を見ると、電源キーに赤いラインが入っています。5Gに加えWi-Fi 6も搭載、水冷システム「LiquidCool Technology 2.0」搭載などゲーミング利用も意識していることから、Xiaomiのメインライン「Mi」「Redmi」シリーズとの差別化をこのあたりでも図っているのかもしれません。
香港のXiaomiの店舗で販売されてるモデルの本体カラーは3色。いずれもツヤを抑えた上品な仕上げです。裸のまま手で握っても指紋が付きにくく、光の反射も少ないため、高級感もあります。
Electric Purple、Cyber Grayの色合いも落ちついた感じです。なお本体サイズは75.4(幅)×163.3(高さ)×8.9(奥行き)mm、219gです。
カメラは4眼で、右上から1300万画素の超広角、500万画素のマクロ(撮影距離3~7cm)、6400万画素のメイン広角、200万画素の深度測定の組み合わせです。上位モデルのMi 10シリーズは1億800万画素カメラを搭載した「カメラフォン」としても売り出していますが、Poco F2 Proは8Kビデオの録画に対応します。またムービーフレームやシネマモード、さらにインカメラでも120fpsのスローモーション撮影が可能など、カメラはより「ビデオ」に特化しているのです。
カメラのUI(ユーザーインタフェース)を見ると、ビデオモードでは上部に「8K」のロゴが見えます。ここをタップして動画の撮影モードを変更することができます。8K録画に対応したスマートフォンはまだ数機種しかなく、Xiaomiが販売するテレビも4K止まり。それでも今の時代から「美しいビデオを残す」ことを考えているのでしょう。なお静止画は「64M」を選べば、6400万画素カメラに切り替わります。
インカメラはポップアップ式ながら2000万画素と高画質。モーターで上下するたびにカメラの周りがLEDライトで光り、その動きを視覚面でも強調してくれます。
Poco F2 Proの価格は上位のMi 10シリーズより安く抑えられています。香港ではMi 10が4999香港ドル(約6万9000円)、Poco F2 Proが4399香港ドル(約6万1000円)。どちらもメモリ8GB+ストレージ256GBという構成。価格差は約8000円で、1億画素カメラを取るか、8Kビデオを取るか、という選び方ができます。高画質な動画撮影に興味ある人にとってPoco F2 Proはちょっと気になる存在になりそうです。
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