2020年に過去最高の発行額 コロナ禍でもQUOカード/QUOカードPayが好調の理由とは?:モバイル決済の裏側を聞く(3/3 ページ)
今年、QUOカードとQUOカードPayを合わせて過去最高の発行額を達成したという。2019年3月にサービスを開始してから、どのようにサービスを拡大してきたのか、クオカード デジタルイノベーションラボ マーケティンググループの大谷 優氏にうかがった。
他のキャッシュレス決済とは競合しない
アプリがあっても自分でチャージすることはなく、個人情報の登録もメールアドレスのみと、他のキャッシュレス決済サービスとは大きく異なるQUOカードPay。マイナポイント事業も「対応させようと思えばできる」(大谷氏)が、還元先の個人を特定するためにアプリが必須となるため、対応を見送った。
こうした点からも「キャッシュレス決済事業者が競合だという認識はない」(大谷氏)。競合は紙の商品券やデジタルギフト券だ。
個人情報を登録せずに利用できるので、セキュリティ面でも安心感がある。2020年には、本人確認の甘さから、銀行口座から残高が不正送金されるという事件も起こったが、そういった不正利用に使われる可能性もなさそうだ。
もちろん、QUOカードPayのバリューコードを表示するURLが、第三者に知られて使われる可能性はある。URLが記載されたメールを当選者が誤って第三者に転送し、使われてしまうというようなことについては、クオカード側で対策しようがない。
しかし、URLに対する不正アクセス対策は行っているという。「URLデータにランダムにアクセスしてくるような輩はゼロではありません。そこは検知して、たどれるようにしています」(大谷氏)
今後の展開
Apple PayやGoogle Payなど、非接触で使えるようにすることについては「今後も検討する」(大谷氏)とのことだが、すぐに使えるWebブラウザでの利用がQUOカードPayの大きな特徴となっているので、悩ましいところだ。非接触で使えるようにするには、アプリを入れてFeliCaチップとのひも付けが必要になるため「分かりにくくなるのでは」(大谷氏)という懸念もある。企業などから非接触への対応の要望も、現時点で特にないという。
今後、デジタルギフトを贈り合う文化が広がっていくようであれば、アプリに口座やクレジットカードをひも付けて、プレゼント用にQUOカードPayが買えて、そのまま送れるような仕組みを導入する可能性はあるという。「ECサイトをQUOカードPayのアプリに移植していくようなイメージです」(大谷氏)
デジタルのAmazonギフト券を友達に贈るシーンはそれなりに多い。今後、QUOカードPayも、そんな使い方がスマホのアプリでできるようになるかもしれない。
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