カメラマン目線で見た「Xperia PRO」 撮影現場のワークフローを変えるマシンだ(1/2 ページ)
ソニーが発売したプロユース向けスマートフォン「Xperia PRO」。これと「α1」を組み合わせることで、映像や写真のプロに新世代のワークフローを提供することを目指すという。一対それはどういうことなのか聞いてきた。
モバイルガジェット好きな人は「Xperia PRO」に、カメラ好きの人は「α1」にまず注目したと思うのだけど、今回ばかりは片方だけを見ているわけにはいかなさそうだ。
ソニーモバイルが目指したのは、Xperia PROとα1を組み合わせることで、映像や写真のプロに新世代のワークフローを提供すること。
そんな話をソニーで聞いてきたのである。
Xperia PROがベースとなった「Xperia 1 II」からどう進化し、具体的にどう違うのかは既報の通りなので省略。
今回のテーマはXperia PROは何を目指して開発されたのか、そのためにどんな機能が追加されたのか、だ。
大きく分けて2つある。1つはXperia PROをカメラの外部ディスプレイとして使う機能。もう1つは撮影した写真や映像を素早く届けるための通信機能。
その2つをプロの現場で使えるクオリティーに仕上げるためにXperia 1 IIを強化したのが、Xperia PROだと思っていい。
世界初のHDMI入力対応スマートフォン
Xperia PROの最初の特徴は世界初の「HDMI入力対応」。本体底面にタイプDのHDMI端子を持っており、カメラと直接つないで外部ディスプレイとして使うことができる。
今回はα1や「α7SIII」とつないで試してみたが、他社のカメラでもHDMI出力を持っていれば(そして大抵のカメラは持っている)外部ディスプレイとして使えるはずだ。
この機能は最大4Kに対応したHDRディスプレイとして使える。21:9だし色域はBT.2020に対応するしで、αで映像を撮るときはより正確な色や明るさを保つためにも欠かせない。
気になるのはディスプレイとしてのクオリティーだが、出荷時に一台一台ソニーのマスターディスプレイと同じD65基準でキャリブレーションして出荷されるのだという。さらに、それを基準に色温度を変えたり微調整したりすることも可能だ。
α1の背面ディスプレイはチルト式でサイズも大きくはないが、HDMIでXperia PROをつなげば6.5型のHDR対応のディスプレイでプレビューしながら撮影できる。
ただ、ディスプレイとして使うのみならず、その場でピンチアウトして部分的に拡大することもできるので、ディテールのチェックも可能だ。
外部ディスプレイをリグに装着すれば自由なアングルで撮影できるし、撮影中や撮影後の映像や写真をチェックするときもいい。本格的な撮影ともなると外部ディスプレイは欠かせないもの。それをスマートフォンで行える。
細かいことだけど、光沢感のあるボディーだったXperia 1 IIに対して、樹脂製でマットな仕上げのXperia PROというのもよい。撮影現場で光を反射するような素材は避けたいからだ。
関連記事
Xperia 1 IIとは何が違う? 写真で解説するプロ向け「Xperia PRO」
ソニーモバイルの新型スマートフォン「Xperia PRO」が、2月10日に発売される。一般ユーザー向けというよりは、カメラマンや映像クリエイター向けのモデルとなっている。スマートフォンとしてのスペックは「Xperia 1 II」がベースになっているが、外観は大きく異なる。PROらしい独自機能も豊富だ。5Gミリ波対応の「Xperia PRO」が2月10日発売 約22万円でプロユースを想定
ソニーモバイルが、5Gミリ波に対応した「Xperia PRO」を2月10日に発売する。カメラ機材の外部モニターや、ライブ中継用のデバイスとして使うことを想定している。ミリ波を効率よくつかめるよう、ミリ波のアンテナを本体の上下左右4箇所に搭載した。ミリ波に対応した5Gスマホ「Xperia PRO」発表 プロ用途を想定
ソニーモバイルが、5Gのミリ波に対応した「Xperia PRO」の開発を発表。発売時期や発売地域は未定。映像制作をはじめとしたプロ用途のデバイスとして開発している。「Xperia 1 II」を2週間使って感じた“反転攻勢”の仕上がり ただし内蔵アプリに不満も
初の5G対応Xperiaとして発売される「Xperia 1 II」が、ドコモとauから出そろった。通信方式だけでなく、カメラも大きく進化。デザインもXperia 1より洗練され、“Xperiaの反転攻勢”を支える1台に仕上がっている。2週間ほどメインの端末として使い込んで分かったことをまとめたい。前モデルとの違いは? 写真で解説する「Xperia 1 II」と「Xperia 10 II」
「Xperia 1 II」は、Xperiaシリーズとして初めて5Gに対応した端末だ。待望の3.5mmイヤフォンジャックが復活したこともトピック。4G対応のミッドレンジ端末「Xperia 10 II」と合わせて、本記事で詳細をレポートする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.