ソニーのスマートウォッチ「wena 3」を試す 実用性向上も、Bluetooth接続は改善の余地あり(2/4 ページ)
ソニーのバックル型スマートウォッチ「wena 3」。ソニーの社内スタートアップ発の製品として登場したwenaシリーズの新製品だ。アナログ時計と組み合わせて使えるコンセプトはそのままに。第三世代になって連携アプリを一新。ディスプレイを拡大してスマホの通知表示が快適になった。このwena 3を試してみたのでご紹介しよう。
待望のSuica決済はやはりイイ
決済機能は一度設定が完了してしまえば快適だ。wena 3では、交通系電子マネーのSuicaに、シリーズの3世代目にして初の対応を果たしている。
Suicaは都市部では乗り物から買い物まで利用範囲が幅広く、やはり使いやすい。アプリでのSuicaはチャージ方法も洗練されており、登録したクレジットカードから1円単位でチャージが可能だ。アプリ上の決済システムはGoogle Payを利用しており、Googleアカウントにカードを登録している状態なら、ログインするだけでチャージできる状態になる。
また、現金でのチャージも対応し、首都圏の駅でおなじみになった券売機型チャージ機やセブン銀行ATMも利用できる。支払いや駅での利用は今更説明する必要もないだろうが、wena 3本体を決済や改札機にかざすだけだ。
モバイルSuicaやApple PayのSuicaと異なり、wena 3のSuicaでは定期券やオートチャージ機能は使えない。それでも、ちょっとした買い物やたまに電車に乗る際に使うくらいなら特に不自由は感じないだろう。
設定してしまえば快適な楽天Edy、iD、QUICPay
wena 3ではSuica以外にも楽天Edy、iD、QUICPayに対応するが、こちらはひと癖ある印象だ。まず、これらの電子マネーは利用開始時に「おサイフリンク」というアプリが必要で、このアプリはiOS端末でしか提供されていない。
ただし、おサイフリンクアプリが必要なのは初期設定時のみで、設定が完了すればAndroid端末とひも付けて使うこともできる。iPhoneを持っていないユーザーなら、「友人のiPhoneを借りて設定する」といった方法で設定することは可能だ。
Suica以外の電子マネーも、一度登録してしまえば実用上の不便は少ない。楽天Edyは先払い式だが、AndroidのEdyアプリからwenaのEdyへチャージできるため、問題なく実用できる。
後払い式のQUICPayやiDも登録後は手間なく利用できるが、登録の際に注意しておきたい点がある。「おサイフリンク」アプリは従来のフィーチャーフォン向けの仕組みを応用したもので、現状、クレジットカード会社の対応が終了しつつある状態だ。特にQUICPayで登録できるカードはかなり限られている。QUICPayの運営元のJCBですら、自社カードのフィーチャーフォン向けQUICPayを3月末に終了すると予告しており、wena 3には対応していない。
その上で、QUICPayはカード会社による手続きも時間がかかる場合もあり、利用開始まで3営業日から2週間程度待たされる場合もある。登録するまでの過程には、スマホのApple Pay/Google Pay経由で使うときのような手軽さはないものと考えた方がよいだろう。
電子マネー側の現状の提供されている仕組みの中で対応したため、ソニー側のみの働きかけでは難しい面もあったと推察される。ただし、これから利用を開始しようと考えている人なら、特にAndoridユーザーは初期設定に手間がかかる点は留意しておきたい。
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