「wena wrist」のバンドでお気に入りの腕時計をスマートウォッチ化させてみた(1/3 ページ)
ソニーのスマートウォッチ「wena wrist」のバンドが単品で発売されました。このバンド部分にはセンサーやFeliCa機能を搭載しているので、好きな時計に付け替えれば、スマートウォッチとして使えるようになります。バンド+お気に入りの腕時計の組み合わせを試してみました。
以前からひそかに気になっていた製品を試す機会を得られました。それがソニーの「wena wrist ステンレスバンド」です。wenaとは「wear electronics naturally」 の略。「人々にもっと自然に、違和感なく、ウェアラブルデバイスを身に付けてほしい」という思いを込められて誕生しました。
これまで発売されてきた一般的なスマートウォッチは、時計部分が本体で、ディスプレイを備え、タッチでメニューを操作するというスタイル。ウォッチフェースは自由に切り替えられ、さまざまな通知を表示。センサー類も内蔵し、活動量や心拍数などの測定も可能。さらに電話がかけられるものや、電子マネーの決済機能を持つものもあります。
便利な反面、課題もありました。機能的に興味はあるけれど、ヘッドのデザインが自分の趣味に合わないというもの。既に愛用している腕時計があるのにもう1つ付けるのはイヤだ、という方も。また、そんなに機能はいらないと考える方もいます。電話の着信さえ分かればいいと言い切る方もいるほどです。
従来の時計に通知機能だけを加えた製品もありますが、結局時計のデザインの好みは千差万別。あらゆる腕時計に通知機能が入るくらいでないと、自分が一番好きなスマートウォッチは手に入らない……そんなときに登場したのが、このステンレスバンドでした。
主役は時計じゃなくて「バンド」
wena wristは、スマートウォッチの機能がバンドに集約された、世界でも類を見ないユニークな製品です。2016年4月にヘッド(時計)付きの製品が発売され、2017年7月にはステンレスバンド単品も発売されました。バンドの価格(ソニーストア、税別)はシルバーが3万3880円、ブラックが3万6800円。
発売当初はオリジナルのヘッドも付いていたので、どうしても視線はそちらに行ってしまいました。しかし主役はあくまでもバンド部分。なぜなら、wena wristではバンドの中にFeliCaを搭載し電子マネー機能をサポート。さらに白、赤、青、緑、紫、黄、水色の計7色のLEDとバイブレーションによるスマートフォンの通知機能や、歩数、消費カロリー、移動距離、通知や電子マネーの利用履歴などの活動ログ機能が入っているからです。
バッテリーはリチウムイオン電池で、クリップ式の専用充電器で充電します。約1.5時間のフル充電で、通常使用なら約1週間は利用できます。防水機能はIPX5/7をサポートしています。
電子マネー機能は、楽天Edy、iD、ANA Skipサービス、dポイントカード、ヨドバシカメラゴールドポイントカード、QUICPayに対応しています。楽天Edyの利用履歴は自動収集されて、wenaアプリ上でも確認できます。通知機能は、アプリで必要なものを選んで、LEDの色を割り当てることもできます。活動ログ機能で残せる身体記録は歩数と消費カロリーのみ。睡眠は測れません。
バンドの幅は22mmで、ラグ幅が18、20、22mmのヘッドに取り付けられます。ただし、ラグ幅18mm/20mmの腕時計に取り付けるには、別売のエンドピースが必要とのことです。
いきなりバンド部分だけ発売しても理解されないかもしれないという懸念から、当初は周知のためにヘッドとセットで売られました。しかし今はスマートウォッチがだいぶ知られているので、コンセプトを変更。バンド単体での販売がスタートしています。
確かにバンドだけ見せられて「スマートウォッチです」といわれても「どこがウォッチ?」となってしまいます。しかし逆にデザイン要素が強いものが付いていると、どうしてもそれを基準に自分の好き嫌いが発動してしまいますから、難しいところです。
でも、実はwena wrist最大の特徴であり、魅力は、いろいろな時計に付けられること。
あくまでもバンドが交換できる仕様であることが前提ですが、自分の好きな時計のバンドにwena wristを使うことで、100年前のクラシックなアナログ時計でも、着信やメッセージの通知が受けられて、電子マネーで決済できるようになります。時計のデザインとしてはうーん? と思っていた方でも、自分がずっと愛用している思い出深い腕時計にスマートな機能をプラスでき、そのまま使い続けられます。
現在ではbeamsやWIREDとのコラボモデルも登場しています。どんな腕時計でも、シンプルなスマートウォッチに変えられる。それがwena wristというわけです。
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