モトローラの折りたたみ「razr 5G」とようやくご対面 初代モデルとの違いは?:山根康宏の海外モバイル探訪記
モトローラは「motorola razr」を5Gに対応させた「motorola razr 5G」を発売しました。2019年に発売した初代モデルとは背面の仕上げが異なり、ディスプレイの折り曲げ強度も増しているようです。閉じれば2.7型の、開けば6.2型のディスプレイを利用できます。
2020年は折りたたみスマートフォン豊作の年でした。しかもサムスンは第2世代の製品を投入。負けじとモトローラも2019年末に出した「motorola razr」を5Gに対応させた「motorola razr 5G」を発売しました。この流れは同じ縦折り式のサムスン「Galaxy Z Flip」「Galaxy Z Flip 5G」と同じです。
motorola razr 5GはGalaxy Z Flip 5Gより全体が丸みを帯びた形状になっており、両者の雰囲気はだいぶ異なります。実は筆者は4Gモデルのmotorola razrを持っており、5Gモデルがどんなものか触ってみたかったのですが、海外展示会の中止が相次ぎイベント会場で見ることがなかなかできません。また高価なモデルでということもあって、筆者の居住する香港ではなかなか実機を触る機会がありませんでした。
唯一実機が展示されていた某キャリアショップで本体を触っていると、「結構人気がありますよ」とのこと。香港では12990香港ドル、約17万4000円で売っていますが、このスタイルを好きな人も意外と多いのかもしれません。
せっかくなら手持ちの4G版motorola razrと比べてみたいなと思ったのですが、このショップに展示されているものは盗難防止対策が取られており、外して単体で触ることはできないとのこと。ならばと単体で売っている店はないかとその後、1カ月以上も香港のお店を回ってみましたが見つからず。もしかしたら香港で実機に触れるのはこのお店しかないのかもしれません。
ということで比較は改め、12月に初めて見かけたときの展示端末を今回はご紹介。本体の後ろに見える出っ張ったパーツは盗難防止のものです。正面から見るとカメラ部分の横にフォトライトを搭載したのが5G版の違いです。
こちらは手持ちのmotorola razr(4G版)。カメラは単体。またフリップ部分=上ぶたの形状もちょっと異なります。
このフリップ部分に2.7型(600×800ピクセル)のタッチスクリーンを搭載しているのがGalaxy Z Flip 5Gとの大きな違い。ここから一部のアプリを起動して使うことができます。また閉じた状態でカメラを起動(本体を2回振って起動させるmoto experience機能を使う)させて、セルフィー時のプレビュー画面としても使えます。
開けば、6.2型(876×2142ピクセル)のディスプレイが現れるのは、初代モデルと変わっていません。ディスプレイ上部にノッチがあるため表示エリアがやや狭くなってしまうものの、閉じれば片手にすっぽりと収まるコンパクトなモデルながら、開けばアスペクト比22:9のワイドサイズディスプレイを使えるのは縦折り式モデルの大きな魅力です。
ところで、本体を折り曲げていて、初代モデルとの違いを見つけました。初代のrazrはヒンジ部分を曲げるとディスプレイにしわが寄るように見えることもあり、強度の弱さを心配させました。しかしrazr 5Gではそのようなものは見えず、しっかりと折りたためます。ディスプレイの素材は同じかもしれませんが、改良が加えられているようです。
背面はよく見えないのですが、光沢感ある仕上げになっています。初代モデルは逆に滑り止め加工を兼ねた細かいドットを配置したデザインで、印象はかなり異なるようです。
Galaxy Z Flipも初代と5Gモデルでは仕上げを変えています。初代は光沢の強い仕上げ、5Gモデルは逆にマットにしています。このあたりは両社ともに初代モデルのユーザーフィードバックを受け、5Gモデルに反映させたのでしょう。
そういえば、初代モデルはeSIMのみ対応、この5GモデルはSIMトレイを備えnanoSIMが使えます。それに伴い販売国も増えています。しかし日本で販売されていないのはちょっと残念ですね。この美しい折りたたみギミックのスマートフォンを数量限定でもいいので、日本で出せないものでしょうか。
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