新型「iPad Pro」は最上位モデルにふさわしい実力 エコシステムの拡大にも期待(1/3 ページ)
M1チップを搭載し、パフォーマンスを大きく上げた12.9型と11型のiPad Proが、5月21日に発売される。iPadシリーズとして初となる5Gへの対応や、12.9型版に採用されたミニLEDのディスプレイなども、新しいiPad Proの新機能だ。そんなiPad Proの12.9型版を、発売に先立ち試用することができた。
M1チップを搭載し、パフォーマンスを大きく上げた12.9型と11型のiPad Proが、5月21日に発売される。iPadシリーズとして初となる5Gへの対応や、12.9型版に採用されたミニLEDのディスプレイなども、新しいiPad Proの新機能だ。一般のユーザーがターゲットのiPadやiPad Air、iPad miniなどと異なり、プロユースをうたうシリーズなだけに、その性能をどこまで向上させたかに注目が集まる。
そんなiPad Proの12.9型版を、発売に先立ち試用することができた。ここでは、そのレビューをお届けしたい。
見違えるように明るく、鮮やかになったディスプレイ
新しくなったiPad Proだが、デザインはほぼ先代を踏襲している。見た目は、ほとんど変化がないということだ。12.9型版はディスプレイにミニLEDを採用したことに伴い、厚さが0.5mmほど増しているが、並べて見比べなければ分からないレベルの違いといえる。ただし、厚みの問題で12.9型版はMagic Keyboardも新しくなっている点には注意が必要だ。端子が同じため、使えないわけではないが、閉じたときにしっかりフィットしない可能性はある。
試用したのは12.9型版だが、ミニLEDを採用したことで、ディスプレイの輝度が大きく上がっている。薄暗い室内で初めて動画を再生したときには、ディスプレイが大きくテレビより距離が近いこともあり、「まぶしい」と感じたほどだ。最大輝度は、第4世代の12.9型版iPad Proと同じ600nitだが、フルスクリーン時の最大輝度は1000nit、HDR再生時のピーク輝度は1600nitまで高められており、コントラストも高い。自発光の有機ELと手法は異なるが、映像のコントラスト比やピーク輝度などは、それに匹敵する印象を受けた。
2020年に発売されたiPhone 12シリーズと同様、HDRに対応したコンテンツを表示した際に、輝度がグイッと持ち上がり、映像が全体的に明るくなる。ネオンのような強い光源が多いシーンは、きらびやかに見える。Dolby Visionで撮ったiPhone 12シリーズの動画を再生しても、その効果がよく分かる。ただし、iPhoneに搭載された有機ELのディスプレイと見比べると、黒が締まって見えるのは有機ELの方だ。こうした傾向の違いはあるが、表示品質は高い。これまでの、どのiPad Proよりも美しいディスプレイに仕上がっているといえそうだ。
1万個以上のLEDを敷き詰めたと聞くと、バッテリーの持ちに影響を与えそうな印象を受けてしまうかもしれないが、カタログスペック上は、第4世代と第5世代で、連続駆動時間に違いはない。試しに、iPad Proでいくつかのオンライン会議に参加してみたが、大体1時間で15%から30%の範囲でバッテリーを消費した。カメラや上り回線を使ってこちら側から映像や音声を送る必要のない動画形式の発表会では、1時間で10%程度。期間の都合で厳密なバッテリー持続時間のテストをしたわけではないが、体感での駆動時間に関しては、おおむね前モデルから横ばいに近い。
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