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「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」サービス開始 何が必要? どうすれば使える?(1/3 ページ)

デジタル庁と厚生労働省が、新型コロナウイルスのワクチン接種の証明書として利用できるアプリの配信と運用を開始した。アプリの概要と、アプリの使い始め方を簡単に紹介する。

 デジタル庁と厚生労働省は12月20日、「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」の運用を開始した。無料で利用できるが、「マイナンバー(個人番号)カード」とNFC Type B(NFC-B)のタグを読み取れるスマートフォンが必要となる。海外用証明書を発行する場合は旅券(パスポート)も必要だ。   

 この記事では、アプリの概要と使い方、注意すべき点を紹介する。


12月20日から運用/配信がスタートした「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」(画像はiOSのApp Storeのもの)

アプリの概要

 その名の通り、新型コロナワクチン接種証明書アプリは「新型コロナワクチン接種証明書」を電子的に取得するためのスマホアプリだ。

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 新型コロナウイルスワクチンの接種に関する事務は、予防接種法に基づき国に代わって市区町村が行っている。従来、接種証明書は住民票のある市区町村が書面(紙)で交付していたが、このアプリを使えば書面の作成なしで接種証明を行える。法的効力は、書面とアプリで同等だ。

 また、このアプリが表示する接種する接種証明は「ICAO VDS-NC」「SMART Health Cards」に準拠しており、海外でもどちらかの規格を採用していれば有効となる。海外渡航のために別途書類を作成する手間も省ける可能性がある。

電子的接種証明の規格について

ICAO VDS-NC(Visible Digital Seals)

 国際連合の付属機関の1つである「ICAO(国際民間航空機関)」が策定した健康に関する電子渡航書類の規格。スマホなどの画面だけでなく、旅券(パスポート)や査証(ビザ)といった印刷された書面に記載することも想定されている。

SMART Health Cards

 ワクチンの接種証明書の相互運用を実現すべく発足した民間団体「VCI」が策定した電子接種証明書の規格。こちらも、スマホなどの画面だけでなく印刷された書面への記載も想定されている。

 接種証明を求められた場合は、このアプリの画面に表示されるQRコードを表示すればよい。ただし、読み取ることで以下の情報を取得できてしまうので、取り扱いには十分注意しよう(★印が付いているものは海外用証明書にのみ含まれる)。

  • 人物を特定するための情報
    • 氏名
    • 生年月日
    • ローマ字の氏名★
    • 旅券番号★
    • 国籍・地域
  • ワクチンの接種記録
    • 接種したワクチンの種類
    • 接種したワクチンの製品名
    • ワクチンを接種した年月日
    • 接種したワクチンのロット番号
    • ワクチンの接種回数★
    • ワクチンを接種した国・地域★
    • 接種制度の管理者(「MHLW_Gov_of_Japan(日本国厚生労働省)」で固定)
  • その他の方法
    • QRコードの発行者(国内向け証明書のみ)
    • 証明書の発行国★
    • 証明書のID

「海外用」(上)と「国内用」(下)の接種証明書をセットアップした場合のアプリのトップ画面。タップすると証明書の詳細を表示できる
海外用(左)と国内用(右)の証明書画面。海外用証明書はいきなりQRコードが表示されるようになっており、その下部にある「VDS-NC」と「SMC」をタップすれば規格を切り替えられる。一方で、国内用証明書では「二次元コードを表示する」をタップしないとQRコードは表示されない
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