今、中国でAndroidタブレットが過熱している理由 XiaomiとOPPO、そしてHuaweiも:山根康宏の中国携帯最新事情(1/3 ページ)
2021年にXiaomiが高コスパのタブレットを発売して以来、HuaweiやOPPOなどの他メーカーもタブレット市場に参入している。自宅での需要が増えていることも背景にあるだろう。ノートPCより安くスマホより大きい画面が使えるため、スマホの次に買い足される製品となっているのだ。
2021年にXiaomiがコスパに優れた高性能なタブレット「Xiaomi Pad 5」をリリースして以来、他のメーカーもタブレット市場に続々と参入している。新型コロナウイルスの影響によりリモートワークが増えたことなどから、自宅での需要が増えていることも背景にあるだろう。ノートPCより価格が安く、スマートフォンより大きい画面が使えるタブレットは、スマートフォンの次に買い足される製品になっているのだ。
Xiaomiは中国国内で「Xiaomi Pad 5 Pro」を販売
XiaomiのXiaomi Pad 5は日本を含むグローバル市場では1モデルだけの展開だが、中国国内では性能を高めた「Xiaomi Pad 5 Pro」も販売されている。Xiaomi Pad 5のカメラ部分はデュアルカメラのように見えるが、片側には「AI」の文字が書かれてふさがれている。これはProモデルとカメラ部分のボディーを共有しているからで、Xiaomi Pad 5 ProはWi-Fiモデルが1300万画素+500万画素のデュアルカメラ仕様となっている。さらに5G対応モデルもあり、そちらのカメラは5000万画素+500万画素。タブレットでも十分高画質な写真撮影が可能なのだ。
その他、Proモデルの違いとして、プロセッサがSnapdragon 860から870 5Gへアップグレードしており、バッテリーは8720mAhから8600mAhへやや容量ダウンしているが、急速充電は33Wから67Wへと強化されている。中国ではマグネットで装着する端子接続のキーボード付きのカバーも販売され、ノートPCのようなスタイルで使える。公式にはアナウンスはないものの、この中国販売のキーボードは日本などで販売されているXiaomi Pad 5でも利用できる。
XiaomiはRedmiブランドも含めてノートPCも展開しているが、PCほどの性能が不要なユーザーや、スマートフォンと共通のアプリを使いたい人などはタブレットに興味を持つようだ。他のメーカーもノートPCの展開を始めているところもあるが、やはりXiaomi Pad 5の成功にあやかろうと、次々とタブレットを投入している。
現時点(2022年5月末)で最も新しい製品がrealmeの「realme Pad X」だ。価格は1299元(約2万5000円)。プロセッサこそSnapdragon 695と若干スペックを落とし、メモリとストレージの構成も4GB+64GBに抑えているが、この価格はタブレット入門者にとって魅力だろう。ディスプレイは11型2000×1200ピクセルで8340mAhバッテリーを搭載。本体カラーのグリーンは背面にチェッカーフラグのような模様も入れており、カジュアル感を高めている。スタイラスは499元(約9600円)、キーボードカバーは399元(約7700円)で別売だ。
Redmi Pad XはXiaomiがRedmiシリーズとして出すべき製品だろう。しかしXiaomiはタブレットをビジネスツールとして展開しており、高い性能を売りにしている。もしもRedmiシリーズのタブレットが出てくるとすれば、価格を抑えつつキーボードは利用できないなど、簡易的な製品になるかもしれない。realmeはXiaomiの隙をついて格安タブレットを一気に売り込もうとしているのだ。realmeは2021年に「realme Pad」をリリースしたが、ペンやキーボードは非対応、ベゼルも厚いデザインだった。realme Pad Xはより洗練されたクリエイティブツールとして人気になるだろう。
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