SNSでの出会いに注意 子どもをネット犯罪から守るために親がすべきこと:子どもとスマホの付き合い方(1/3 ページ)
子どもにスマホを使わせる際の心配事の1つに、「誰か知らない大人とSNSで出会い、被害に合うのでは」という出会い関係のトラブルがあります。出会いに関する被害から子どもを守る対策は、フィルタリングをかけることです。ただしフィルタリングやアプリの設定では防ぎきれないことも多いため、保護者の見守りが重要になります。
子どもにスマホを使わせる際の心配事の1つに、「誰か知らない大人とSNSで出会い、被害に合うのでは」という出会い関係のトラブルがあります。ニュースで流れる未成年者の誘拐事件でも、出会いはSNSだったと供述されることが増えています。
警察庁の調べ(※PDF)によると、2021年にSNSに起因する事犯の被害児童数は1812人で、約5年前からほぼ横ばい状態とはいえ、高い水準で推移しています。重要犯罪等に絞ると略取誘拐が大きく増えており、2021年は前年比で14.7%増加しています。
SNSで悪い大人と知り合うことにより、子どもたちはさまざまな被害に遭います。前述の略取誘拐以外に、だまされたり脅かされたりして自分の裸の写真を送らされる「自画撮り」被害、強制性交・強制わいせつなどの児童ポルノ事犯も起きています。
ご存じの通り、ネットでは距離や時間に関係なく連絡が取り合えます。リアルの交流関係では出会うことがないような大人とも知り合ってしまいます。なぜ子どもは、知らない大人とつながってしまうのでしょうか。
優しく近づいてくる悪い大人たち
子どもがSNSを始めると、まず友人や家族など知り合いとつながります。そのうちに、同じ「推し」がいる人達とつながって情報交換したり、ゲーム仲間ができたりと交友関係が広がります。「知り合い以外とつながらないでほしい」と思う保護者の方は多いと思いますが、同じ趣味を持つ仲間を学校で見つけることは意外と難しいものです。一方、SNSなら「〇〇グループのA君が好き」というケースでも、マニアックなゲームを楽しむ仲間もすぐに見つかります。
また、知り合いには言えない悩みや愚痴を吐き出す場として使う人もいます。SNSの利用を始める中高生は、思春期真っただ中です。親や学校への不満、友人とのいざこざ、恋愛の悩みなどを書き連ねるサブアカウントを作っている人も少なくありません。非公開アカウントにしてごく親しい数人とつながったり、公開アカウントのまま素性を隠したりして運用している人もいます。誰かに話すことで心が少し軽くなり、解決に向かうこともありますよね。
SNSで交友関係が広がることはメリットもたくさんあるのですが、悪い大人に付け入れられるリスクがあるのも事実です。
例えば、「あなたの推しのグッズがあるんだけど、渡したいから会おう」と、限定グッズやコンサートのチケットをちらつかせて会うことを要求します。また、「家族が嫌いなら、うちで少し暮らしていてもいいよ」と誘う人もいます。心が弱っている子をSNSで検索し、「家出したい」と書いていたらすぐに連絡を取る人たちがいるのです。
しかし、SNSで話す間柄とリアルに会うことは、大きな開きがあるように思えます。でも彼らは会うまでに毎日のように何十回もメッセージをやりとりし、子どもの心をつかむため、会うことに抵抗を感じないのです。こうした行為を「グルーミング」と呼びます。
グルーミングされた子ども達は、相手を疑わずに会いに行ってしまいます。もし相手に不快なことをされても、「何か事情があったんだ」「こちらが悪かったからだ」と考えてしまい、周囲に助けを求めません。先ほどの警察庁のデータには浮上してこない被害がたくさんあるのかもしれません。
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