SNSでの出会いに注意 子どもをネット犯罪から守るために親がすべきこと:子どもとスマホの付き合い方(2/3 ページ)
子どもにスマホを使わせる際の心配事の1つに、「誰か知らない大人とSNSで出会い、被害に合うのでは」という出会い関係のトラブルがあります。出会いに関する被害から子どもを守る対策は、フィルタリングをかけることです。ただしフィルタリングやアプリの設定では防ぎきれないことも多いため、保護者の見守りが重要になります。
出会いやすいアプリを頭に入れておく
では、具体的にどんなアプリでどのようにつながっているのでしょうか。
前述の発表では、2021年中の被害児童数が多いサイトとして、被害が多い順に「Twitter」「Instagram」「Yay!」「KoeTomo」「TikTok」が挙げられています。
TwitterとInstagramは、中高生に特に人気が高いSNSです。NTTドコモ モバイル社会研究所が2022年1月に行った調査では、10代が最も利用しているSNSはLINE(94.0%)で、以降Twitter(81.2%)、Instagram(71.2%)、TikTok(39.3%)、Facebook(12.8%)となっています。LINE、Twitter、Instagramの3つを併用している人が多く、母数が多いことから被害児童数も多いと推測できます。
Yay!は音声を中心に交流するSNSです。もともとは「ひま部」という名称で、2020年は被害児童数が3番目に多いサービスでした。通話相手を募って話せる自由さが若者に人気を呼んでいます。KoeTomoも音声中心に交流するSNSです。ユーザー同士で個別に話したり、グループで話したりできます。気軽に出会える反面、被害の入り口になりやすい側面があります。
TikTokは、人気急上昇中の短尺動画SNSです。2021年で初めて名称が挙がりました。小学生や中学生など幼い子の方が好んで利用していますが、16歳未満のユーザーはダイレクトメッセージが無効になるなど、年齢に合わせた対策が行われているため被害数を抑えられている印象です。
ただし、ここに挙がっているサービスが悪質だというわけではありません。これらのサービスは出会いの入り口に使われやすいと覚えておくといいでしょう。
SNS以外では、オンラインゲームでの出会いも増えています。オンラインでつながっている仲間と毎日のようにチャットしながら遊んでいると、自然に仲良くなります。以前、オンラインゲームで知り合った大人に誘拐されてしまった小学生は、自ら会いに行ったところ、車で遠い場所に連れていかれてしまいました。ボイスチャットで話した内容は履歴が残らないため、後から保護者が把握することができず、相手も特定できません。
さらに、「メタバース」とも呼ばれる、アバターを使って交流するサービスも続々と増えています。かわいいアバターを使って仮想世界に行くと、文字や音声で交流できます。相手もかわいいアバターのため、警戒心を抱きづらくなります。しかし、これも知らない人と出会うきっかけになります。
不特定多数と音声や文字で連絡できる機能があれば、それは出会いの場です。子どもを狙う悪い大人は、子どもが好きなサービスに入ってきます。同じ年頃、同じ性別を装ってくる「なりすまし」も多くいます。
いったんつながってしまうと、LINEのアカウントを交換したり、電話番号を教え合ってSMSで連絡したりと、他の連絡手段でグルーミングや誘い出しが行われることもあります。保護者はどのように対策すればいいのでしょうか。
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