メインカメラが大幅に強化された「iPhone 14 Pro」 4800万画素の実力はいかに?:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/4 ページ)
毎年恒例、新型iPhoneのカメラレビューの季節がやってきた。今回レビューする「iPhone 14 Pro」のカメラは、今までよりセンサーサイズが大きくなっただけでなく「4800万画素で撮影」できるようになった。
毎年恒例、新型iPhoneのカメラレビューの季節がやってきた。
今回はもちろん「iPhone 14 Pro」。並べて見比べるとカメラ径やLEDフラッシュ部分がちょっと違う(iPhone 14 Proの方がちとデカい)他、微妙にテイストが違っているとこもあるけど、同じ色のモデルを単体でポンと渡されて背面だけを見て「どっちだ?」といわれると一瞬迷っちゃう。
という代物ではあるけど、中身はというと、今回は既報の通り、広角カメラ(メインカメラ)が大きく変わった。今までもちょっとずつ「センサーサイズが大きく」なり、それに伴って画質も上がっていたのだけど、今回はセンサーサイズが大きくなった上に「4800万画素」に増えたのである。センサーが最新技術のものにがらっと変わったわけだ。
それに伴う変化がいろいろとあるので、そこからツッコンでみたい。
新型センサーになって画質はアップした?
iPhone 14 Proが搭載するカメラは3つ。0.5xの超広角と広角と3xの望遠という構成はiPhone 13 Proと同じだ。
4800万画素になったといっても普段は4画素を1つとして扱う「クアッドピクセル」を採用しているので、出力される写真は1200万画素サイズ。今までのiPhoneと同じだ。
じゃあ普段使っている分には変わらない? そこで、いつものガスタンクで2枚を見比べてみよう。
何となく違うでしょ。発色や階調が微妙に違うのみならず、写っている範囲が違う。iPhone 14 Proの方がちょっと広い範囲が写っている(広角になっている)のだ。写真アプリで両者の撮影情報をチェックしてみると数字で分かる。
iPhone 14 Proは24mm(35mm判換算で24mm相当の意味)で、iPhone 13 Proは26mmと画角が違うのだ。iPhone 14 Proの方がちょっと広角なのである。ついでにいえば、今まで「広角カメラ」と表記されていたのが「メインカメラ」に変更されている。
26mmというのは2つ以上のカメラを持つiPhoneの伝統的な画角。24mmはAndroid機でよく使われている画角で、なぜか24mmに変更されたのである。
メインカメラが24mmでカメラアプリ上の表記が「1x」なのだから、「0.5x」はその半分の12mmになっているの? ……いやなっていません。13mmのままです。
メインカメラが24mmになったのだから、3xは72mmになっているの?……いやなっていません。従来通り77mmのまま。
まあメインカメラの仕様を変えたことで整合性が取れなくなっちゃったのだけど、適当な桁で四捨五入すれば、約0.5xと約3xってことで大きな間違いはないということでいいんじゃないでしょうか。
このように4800万画素のセンサーを4つの画素を1つにするクアッドピクセルで1200万画素の高画質な絵を作っているわけだが、どうせ4800万画素のセンサーなら、4800万画素サイズの写真を撮ってみたい、と思うのが人情というもの。
iPhone 14 Proの4800万画素のセンサーは「4画素を1つとして扱う」クアッドピクセルのモードと、それぞれの画素を独立したものとして4800万画素として使う高解像度のモードを持っているので高解像度モードではどのくらい撮れるかって話だ。
それには「RAW」で撮る。1xのレンズで「ProRAW」で撮ると、4800万画素のRAWデータで撮れるのだ。その分ファイルサイズはものすごく大きくなる(60~90MBレベル)ので常用は勧めないけど、撮り比べてみた。
元画像をJPEGにしたものがこちら。何しろ6048×8064ピクセルであるからして、どうしても元画像を見たい人だけどうぞ。描写力はなかなか高く松葉もけっこう解像している(それをチェックしたくて松を撮ったのだ)ので一度は使ってみたい。
ちなみに、ProRAWはAdobeのDNG形式で記録されるので、「写真」アプリのみならず、DNGに対応した他社のアプリでも現像可能だ。
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