虎視眈眈と復活を狙うHuaweiスマホ 「Mate 50」シリーズは“力業”で5G対応も:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)
2022年9月6日にHuaweiがスマートフォンの新製品「Mate 50」シリーズを発表した。ただし米国からの制裁により、5Gは搭載できておらず、ライカとの協業も止まってしまった。Mate 50シリーズは新技術と秘策でスマートフォンの頂点を十分目指すことのできる製品として登場したのだ。
5G対応スマートフォンもひっそりと投入
一方で、Huaweiのスマートフォン本体を5Gに対応させた製品もひっそりと登場している。TD TechがHuaweiからライセンスを受けて製造する5Gスマートフォンは、ベースモデルがHuaweiの4Gスマートフォン。これまで「TD Tech N8 Pro」や「TD Tech P50」を発売しており、それぞれHuawei「nova 8 Pro」「P50」の5G版となる。TD Techは5G対応CPEなど通信製品を手掛けているメーカーで、過去にはスマートフォンの展開は行っていなかった。しかしHuaweiのスマートフォンを5G化して販売するという「秘策」を繰り出し、スマートフォン市場に参入している。
恐らく、HuaweiはP50もnova 8 Proもアンテナ設計などは5Gへの対応を済ませており、TD Techの方でSnapdragonの5Gに対応した通常モデルへと換装し、5Gに対応させたと考えられる。TD Tech版モデルの登場はHuawei版の登場から少し時間がたってからだが、Mate 50シリーズもいずれかのモデルがTD Techより5G版として出てくる可能性が高い。つまりGMSとアプリの問題はまだ残るものの「最高のカメラを搭載したHuaweiの5Gスマホ」を入手する抜け道が存在するのだ。
TD Techのモデルは現時点で中国以外での販売は予定されていない。だがTD Tech製であろうとも5G対応製品が実際に中国で出てきているということは、もしも制裁が解除されればHuaweiはすぐに新製品に5Gを搭載させてくるだろう。ライカとの協業終了やプロセッサ開発の停止、5Gモデム搭載不可など逆風が流れる中でも、Huaweiは技術開発を止めずに常に前進しているのである。
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