ライバルはiPhoneではなくデジタルカメラ 中国4メーカーの“カメラフォン”を比較する:山根康宏の中国携帯最新事情(1/2 ページ)
スマートフォンのカメラはメインの広角カメラが高画素であるのが一般的だ。ところが中国メーカーのフラグシップクラスのスマートフォンは5000万画素クラスのカメラを3つ搭載することが当たり前になっている。「トリプルメインカメラ」を搭載する各社のスマートフォンを比較してみた。
スマートフォンのカメラはメインの広角カメラが5000万画素や1億800万画素など高画質で、サブの超広角や望遠カメラは1200万画素など低い画質のものを搭載することが一般的だ。ところが中国メーカーのフラグシップクラスのスマートフォンは5000万画素クラスのカメラを3つ搭載することが当たり前になっている。「トリプルメインカメラ」を搭載する各社のスマートフォン、どのような製品なのか比べてみよう。
vivoとXiaomiはクアッドカメラ、OPPOとHONORが1位を競う
中国メーカー各社のスマートフォンラインアップは常時10機種以上あり、1万円台の格安モデルから20万円を超える。その中でフラグシップに位置付けられるのが、カメラ強化モデルだ。vivo、OPPO、HONOR、Xiaomiの4社は折りたたみモデルも展開しているが、カメラ性能はフラグシップモデルよりも劣る。このあたりはバランスを考えた製品展開を行っているのだろう。
各社のカメラフォンの最新モデルは、vivoが「X90」シリーズ、OPPOが「Find X6」シリーズ、Xiaomiが「Xiaomi 13」シリーズ、HONORは「Magic5」シリーズとなる。いずれの製品もアウトカメラは5000万画素クラスというぜいたくな仕上げだ。
各社のカメラフォンのうち、5000万画素級カメラを4つ搭載している「クアッドメインカメラ」というぜいたくな製品がvivoとXiaomiから出ている。vivoの「X90 Pro+」は広角 5030万画素、超広角 4800万画素、2倍望遠(50mm) 5000万画素、3.5倍望遠(90mm) 6400万画素という組み合わせだ。広角カメラは1型センサーを搭載している。望遠カメラはポートレート撮影を意識した組み合わせだ。
Xiaomiの「Xiaomi 13 Ultra」は広角5030万画素、超広角 5000万画素、3.2倍望遠(75mm)5000万画素、5倍望遠(120mm) 5000万画素。望遠の倍率を高めた点が特徴だろうか。こちらも広角カメラは1型センサーだ。なお、この後で紹介するOPPOの製品も含め、1型センサーは全てソニーの「IMX989」を搭載している。
今回紹介するスマートフォンは全てプロセッサにSnapdragon 8 Gen 2を搭載する。また各モデルとも急速充電も高速化されている。フラグシップにふさわしい性能を有しており、カメラフォンとしてだけではなくゲーミング用途にも十分対応できるパワフルなモデルに仕上がっているのだ。
続いては「トリプルメインカメラ」を搭載する3つのモデルを紹介する。XiaomiからはXiaomi 13 Ultraの下位モデルとして「Xiaomi 13 Pro」が販売中だ。広角は1型センサーの5000万画素、超広角は5000万画素、望遠は3.2倍で5000万画素。Xiaomi 13 Ultraから5倍望遠を外した組み合わせに見えるが、超広角と望遠カメラはスペックを若干下げており、F値などが若干劣る。なお急速充電は120Wと、今回紹介する製品の中で最速だ。
OPPOの「Find X6 Pro」は広角 1型センサーの5000万画素、超広角 5000万画素、2.8倍望遠(65mm)5000万画素の組み合わせ。急速充電は100W。スマートフォンのカメラ性能の指標の1つであるDXOmarkで1位に輝いており(2023年4月28日時点)、OPPOのフラグシップモデル「Find」シリーズの名を広く知らしめる製品になりそうだ。
最後に紹介するのがHONORの「Magic5 Pro」だ。広角 5000万画素、超広角 5000万画素、3.5倍望遠 5000万画素という組み合わせ。今回のモデルの中で唯一、1型センサーは搭載していない。また画面解像度は他のモデルは3200×1440クラスだが、Magic5 ProはフルHD+(2848×1312ピクセル)となっている。
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