深センで見た中国スマホの現状 目立つ“1元スマホ”、折りたたみ市場で健在のHuawei:山根康宏の中国携帯最新事情(2/3 ページ)
3年ぶりに中国の深センを訪れ、現地のスマートフォン事情を見てきた。値引きで販売されているスマートフォンは全て5Gに対応しており、「1元(約20円)」という激安表示が目立つ。Huaweiは折りたたみスマートフォンで絶大な人気を誇っている。
Huaweiの折りたたみスマホは中国で絶大な人気を誇る
それではHuaweiのスマートフォンは実際に人気がなくなっているのだろうか? Huaweiのフラグシップストアを訪れたところ、週末は来客が多く店内はかなり賑わっていた。しかも店内にはスマートEV「AITO 門界」シリーズの実車も展示。この自動車目当てにHuaweiストアを訪れる人も多いようだ。
Huaweiは2023年に入ってから積極的に新製品を展開している。3月には世界最薄をうたう折りたたみモデル「Mate X3」、カメラを強化した「P60」シリーズ3機種を発売。4月にはフロントに6000万画素カメラを搭載した「nova 11」シリーズ3機種も発売した。2022年11月に発売した縦折り式の小型モデル「Pocket S」も多数のカラバリがあり、Huaweiの店舗内には所狭しとスマートフォンが展示されている。そしてそのいずれも来客が次々と手にしており人気は高い。
ちなみにグローバルでのデータとなるが、DSCCによると世界の折りたたみスマートフォンの出荷台数の1位はサムスンの「Galaxy Z Flip4」で27%、2位はHuawei「Pocket S」の15%、3位サムスン「Galaxy Z Fold4」13%、4位OPPO「Find N2 Flip」11%、5位Huawei「Mate X3」6%だった。Huaweiの出荷台数はほぼ中国国内であることを考えると、Pocket SとMate X3を合わせた同社の折りたたみスマートフォンの人気は中国で絶大なことが分かる。
さらに、4Gスマートフォンしか販売していないはずのHuaweiの店舗に5Gスマートフォンも展示されていた。Huaweiからライセンスを受けたメーカーがHuaweiの4Gスマートフォンを5G対応にしたモデルを販売しているが、それらの製品をHuaweiストアでそのまま販売しているのだ。中郵通信の「Hi nova」シリーズはHuaweiのnovaシリーズを5G化したモデルで、novaと並べて販売されている。また欧州で一時は人気だったメーカーのWikoもHuaweiの低価格モデルを5G化したモデルを出しており、同じくHuaweiストアで販売されている。
他にもSoyea TechnologyがHuawei上位モデル用に5Gモデムを内蔵したカバーを販売しており、これを装着することで5Gの利用が可能になる。Huaweiブランドの5Gスマートフォンはないものの、Huaweiベースの製品で5Gを使う方法はいくつも存在しているのだ。
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