ドコモの新料金「eximo」のお得度を検証 ライバルは「ahamo」、無制限は大手3キャリアで大差なし:スマホ料金プランの選び方(2/2 ページ)
ドコモが7月1日から提供する「eximo」について解説しよう。月々のデータ使用量に応じて料金が決まる従量課金制のプランで、3GB以上ならどれだけデータ通信を行っても料金が同じ。しかし各種割引を利用しないと割高で、同時に提供を始める「irumo」の方が安くなることもある。
5Gギガホ プレミアとの比較
ドコモで5G通信が無制限に使えるプランは6月末まで「5Gギガホ プレミア」です。では、eximoと5Gギガホ プレミアは何が変わったのでしょうか。各種割引適用前/適用後で、eximoと5Gギガホ プレミアの料金を比較してみました。
比較してみると、eximoで1GBの料金が新たに設定された以外に変更点はありません。3GBまでと3GB以上使った場合の料金は割引前も割引後も同じです。月3GB以上使う人にとってはeximoと5Gギガホ プレミアは同じプランと考えていいでしょう。
なお、かけ放題オプションはこれまで5分通話無料オプションが月額770円、かけ放題オプションが月額1870円だったのが、それぞれ月額880円、1980円になりました。どちらも月110円の値上げですが、いずれかの通話オプションを契約すると、これまで有料だった留守番電話(月額330円)とキャッチホン(月額220円)が無料で使えようになりました。特に留守番電話を契約していた人はよりお得に使えますね。
他社の無制限プランと比較
前述の通り、eximoには1GB、3GBの料金が設定されているものの、実質的には無制限プランといえます。そこで、eximoと他社の無制限プランを比較しました。
ドコモ、au、ソフトバンクの大手3キャリアを比較すると、通常料金はeximoのみ77円高いものの、各種割引適用後はどのキャリアも月額4928円と横並びです。大手3キャリアから選ぶならどれを選んでも大きな違いはありません。
一方、無制限プランでは楽天モバイルの安さが際立っており、通常料金で比較すると大手3キャリアの半額以下です。楽天モバイルには家族割や光セット割はありませんが、大手3キャリアの割引後料金と比較しても月1650円安いです。
楽天モバイルは通常料金の安さに加え、アプリ「Rakuten Link」を使えば国内通話は無料でかけ放題です。数は少ないながらも全国に店舗があり、サポートも受けられます。大手3キャリアに比べると通信品質は劣る場合がありますが、都内に住む筆者は問題なく使えており、不便を感じることはほとんどありません。
6月からは東京23区、名古屋市、大阪市の一部地域でのローミングも順次開始しKDDI回線のプラチナバンドが使えるようになるため、よりつながりやすくなることが期待されます。ビジネスなどの大事な用件で使うのは少々不安ですが、とにかく安く、データをたくさん使いたい人にとっては料金面のメリットが上回る場合も多いでしょう。もし大手3キャリアから楽天モバイルに乗り換えて問題なく使えれば料金を大きく節約できるので、面倒でも試してみる価値はあると思います。
以上、ドコモの新プラン「eximo」の解説でした。eximoにはデータをたくさん使う人、店舗でフルサポートが必要な人向けのプランです。みんなドコモ割や固定回線とのセット割を適用してお得に使ってください。ただし20GB以下の場合はirumoやahamoも検討してくださいね。
著者プロフィール
シムラボ
「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。
- Twitter:@simlabo_jp
- サイト:https://www.sim-labo.jp/
関連記事
ドコモ、新料金「eximo」のグラフを修正 それでも“分かりづらい”理由
ドコモが6月20日に発表し、7月1日から提供予定の新料金プラン「eximo(エクシモ)」。このグラフなどをめぐって、分かりづらいという声が相次ぎ、ドコモはグラフを修正した。それでも分かりづらい点がいくつかある。ドコモがギガプランを「eximo」に刷新 1GB→3GB→無制限の3段階制に
ドコモが、7月1日から新料金プラン「eximo(エクシモ)」を提供する。従来のギガプランを刷新したもの。3段階制のプランになり、月額7315円でデータ通信を無制限で利用できる。ドコモの新料金「irumo」のお得度を検証 Y!mobile/UQ mobileより安いケースが多いが注意点も
ドコモが7月1日から提供を始める「irumo」を、他社プランやahamoと比較してみる。最初はあまりいい印象を持っていなかったが、OCN モバイル ONEの後継プランではなく、ドコモの低容量プランと捉えると納得がいきそうだ。“ドコモの”格安プラン「irumo(イルモ)」が7月1日登場 月額550円から 「OCN モバイル ONE」の新規申し込みは終了
NTTドコモが、“自社の”格安プランとして「irumo(イルモ)」の提供を開始する。同社と合併が決まっているNTTレゾナントが提供するMVNOサービス「OCN モバイル ONE」の音声通話SIMのサービス内容を継承したもので、月額550円から利用できる。ドコモの新料金「irumo」を冷静に分析 「分かりにくい」「改悪」以上に大きいインパクト
ドコモが7月1日から新料金プランを提供する。小容量プラン「irumo」の狙いは、UQ mobileやY!mobileといった、他社のサブブランドに対抗することだ。eximoからは、ユーザーのデータ使用量が増加するタイミングに合わせ、ARPUを上げていきたい狙いが透けて見える。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.