「moto g53y 5G」レビュー Y!mobile×モトローラの“2万円スマホ”はどれだけ使える?(1/4 ページ)
Y!mobileから登場した“2万円スマホ”の新顔moto g53y 5Gをレビューする。MNPなら1円で購入できるという安さが一番の売りだが、それだけではない。
ソフトバンクは6月29日、モトローラ製のスマートフォン「moto g53y 5G」をY!mobile(ワイモバイル)ブランドで発売した。モトローラとしては2世代目のおサイフケータイ対応の“日本向けモデル”だ。
一番の強みはその価格で、Y!mobileオンラインストアでの販売価格は一括2万1996円(税込み、以下同)となっている。MNP転入では約2万円の割引が適用され、一括1円で販売される。
価格相応にスペックを抑えたエントリーモデルだが、動作に安定感があり、SNSや動画再生など日常的な用途で支障を感じることはないだろう。モバイル通信の安定性や、カメラアプリのUI(ユーザーインタフェース)など細かな部分もきちんと作り込まれている。加えて、スマホを振ってカメラを起動できるジェスチャー操作のようなユニークかつ実用的な機能も備えている。
SIMフリー版「moto g53j 5G」とY!mobile版「moto g53y 5G」
モトローラがオープンマーケット向けに販売する(いわゆるSIMフリースマホの)「moto g53j 5G」と比べると、今回レビューした「moto g53j 5G」は、ほとんどの仕様が共通する兄弟機だ。
一方で価格はmoto g53j 5Gの2万1996円(Y!mobileオンラインショップ)に対して、「moto g53j 5G」は3万4800円(モトローラ公式ストア)と大きな開きがある。
実は、これら2機種にはいくつかの仕様に違いがある。最も大きな違いがメモリの容量だ。g53jの8GBメモリに対し、Y!mobile向けのg53y 5Gは4GBに削減されている。
また、本体カラーにも違いがある。SIMフリーのg53jはインクブラック、アークティックシルバーの2色展開となっている。Y!mobile版のg53y 5Gはこの2色に加え、ペールピンクが追加されている。
作り込まれた外観
本体は樹脂製で、金属風の塗装が施されている。背面に貼られた磨りガラス風のパネルは斜めに切り抜かれており、断面部が光を受けて虹色に輝く。これが端末を手に取ったときのいいアクセントとなっている。見た目に安っぽさは感じられない。「2万円のスマホ」とは言われないと分からないだろう。
サイズは約75(幅)×163(高さ)×8.2(奥行き)mm、重量は約183g。やや大きめで電子書籍やマンガを読むのにちょうどいい。また、卓上やデスクサイドにおいて、1人で動画をみるのにもほど良いサイズ感だ。
このスマホを購入する際に、別途ケースを購入する必要はない。クリアケースが同梱されているからだ。しかも、ケースが端末に装着された状態でパッケージに収められているので、箱から出してそのまま使えるという気の利きようだ。
おサイフケータイ○、防水は×
日本向けの機能としてはおサイフケータイ(FeliCa)をサポートしている。モバイルSuicaやモバイルICOCA、QUICPayなどが利用できる。また、Google Pay、Visaのタッチ決済などにも対応する。
一方で、防水仕様には非対応だ。防水等級はIPX2(防滴)、防塵(じん)等級はIP5Xとなっている。例えばお風呂で使うのは避けた方が良いだろう。
生体認証は、本体右側の電源キーが指紋センサー兼用となっている。やや上よりの位置にあるため、左手で片手持ちしている人には使いづらいかもしれない。
120Hz液晶、Dolby Atmosもサポート
ここからは、細かいスペックを確認していく。画面は約6.5型のTFT液晶ディスプレイを搭載する。20:9の縦長なディスプレイで、解像度は1600×900ピクセル(HD+)となっている。120Hz駆動をサポートしており、SNSのタイムラインの流し見するときのスクロールなどを滑らかに表示できる。
オーディオは、Dolby Atmosによるサラウンド再生をサポートしている。本体内蔵のスピーカーはステレオで、自動でDolby Atmosが適用される。3.5mmイヤフォンジャックを備えており、FMラジオの受信も可能だ。
プロセッサはエントリーモデル向けのSnapdragon 480を搭載。メモリは4GB。ストレージは128GBを内蔵し、最大1TBのmicroSDスロットを搭載する。
モバイル通信は5G/4G LTEをサポートする。5Gの対応周波数帯はBand n3、n28、n77、n78で、ソフトバンクのいわゆるSub-6帯をカバーしている。SIMはnanoSIMとeSIMをサポートする。バッテリー容量は5000mAh。公称の連続通話時間は2590分、連続待受時間は約610時間(FDD-LTE接続時)となっている。
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