ニュース
ドコモが都内4エリア(新宿/渋谷/池袋/新橋)の通信品質を報告 全国規模での改善も継続
人口密集地において携帯電話が通信しづらくなる問題について、NTTドコモが特にひどい東京都内4カ所の状況を報告した。ごく一部を除き状況は改善したとのことだが、全国規模での抜本解決に向けた取り組みを継続していくという。
NTTドコモは7月28日、携帯電話の通信品質が低下している事象に関連して、特に低下が著しいとされる東京都内の4カ所(新宿、渋谷、池袋、新橋)における品質改善状況を報告した。合わせて、今後の通信品質改善に向けた取り組みについても説明している。
ごく一部を除き「不便なく利用できる」状況に
ドコモによると、都内の4カ所では以下の対策を実施したという。
- 基地局ごとのカバーエリアの調整(電波照射の角度/指向/出力の調整)
- 周波数間の偏りをなくす分散制御(基地局設備の設定値変更)
- 基地局設備の増設(5G/4Gの設備増設)
その結果、渋谷駅の山手線/埼京線ホームの中央付近以外は「ご不便なくご利用」できるようになったという。
advertisement
ここで疑問なのが「なぜ『渋谷駅の山手線/埼京線ホームの中央付近』は改善していないのか?」という点だが、駅改良工事に伴い、他キャリアと共用している屋内アンテナを取り外した影響とのことだ。このアンテナは9月をめどに再設置されるとのことで、これにより改善される見通しのようだ。
今後の取り組み
ドコモは今後も、先述した3つの対策を始めとして、抜本的な通信品質改善へ向けた取り組みを全国レベルで継続するという。そのための全国横断プロジェクト体制も構築したという。
同社では、エリア改善の要望を電話(※1)やWeb窓口で受け付けている。何かあったら、遠慮なく相談してみるといいだろう。
(※1)ドコモの携帯電話は「113」(メニューは「0」→「15」)、他の電話はドコモインフォメーションセンター(0120-800-000、メニューは「3」→「4」)で対応
関連記事
なぜドコモで「つながりにくい」問題が起きているのか 明かされた根本的な要因
ドコモの「通信速度が遅い問題」、2023年夏をめどに解消へ 「瞬速5Gのエリアを伸ばす」
NTTドコモは4月26日に5Gネットワークの戦略説明会をオンラインで開いた。ネットワーク部長の引馬章裕氏が2024年の5G SAネットワークスライシング本格展開、増大するトラフィックへの取り組みなどを語った。ここ最近のつながりづらい問題についても言及し、対応策を明らかにした。ドコモ、ネットワーク装置のチューニングで5Gの「パケ止まり」解消へ
NTTドコモは、10月中旬までに5Gエリア品質向上対策を順次実施。5Gエリアの積極的な拡大と、電波品質の悪い環境下でも通信を保つためのネットワーク装置のチューニングを行っていく。ドコモの5Gは「瞬速5G」 新周波数で2023年3月末に人口カバー率70%へ
ドコモは高速・大容量の5G通信サービスを「瞬速5G」と名付けて訴求していく。5Gの新周波数を用いた人口カバー率は2023年3月末までに約70%を目指す。5Gのエリアマップも公開した。4G周波数の5G転用は「優良誤認」と「速度低下」の恐れあり ドコモの5Gネットワーク戦略を解説
総務省の省令改正により、4G周波数の一部を5Gに利用できるようになった。こうした状況に疑問を投げかけているのがNTTドコモだ。同社自身も4Gから5Gへの転用は行う予定だが、拡大には慎重な姿勢を示す。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.