ドコモの5Gは「瞬速5G」 新周波数で2023年3月末に人口カバー率70%へ
ドコモは高速・大容量の5G通信サービスを「瞬速5G」と名付けて訴求していく。5Gの新周波数を用いた人口カバー率は2023年3月末までに約70%を目指す。5Gのエリアマップも公開した。
NTTドコモが11月5日、5Gの戦略を改めて発表した。
ドコモはSub-6が3.7GHz帯の100MHz幅、4.5GHz帯の100MHz幅、ミリ波が28GHz帯の400MHz幅を用い、高速・大容量を特徴とする5Gエリアの構築を進める。同社は高速・大容量の5G通信サービスを「瞬速5G」と名付けて訴求していく。
5Gの新周波数を用いた基地局は、2021年3月末までに全国政令指定都市を含む500都市、2021年6月末までに1万局、2022年3月末までに2万局、2023年3月末までに3万2000局を開設。5Gの人口カバー率は2022年3月末までに55%、2023年3月末までに約70%に到達する見込み。2020年12月末までに、5Gが使える施設やスポットを全都道府県に拡充する予定。
なお、現時点でドコモの5G契約数は50万を突破した。
ドコモは11月4日に5Gのエリアマップを公開。都道府県ごとに、5GやLTEのカバー範囲を確認できる。5Gについては2020年10月30日時点ではスポット的な対応にとどまっているが、2021年3月末には面でカバーするエリアが増えている。Sub-6とミリ波は分けずに掲載しているが、ミリ波が利用できるスポットは確認できる。
5Gをより多くのユーザーに体験してもらえるよう、全国のプロ野球(全12球場)とJリーグ(13会場)のスタジアムを5Gエリア化し、マルチアングル視聴など新たな映像体験が可能なサービスを提供する。
2020年9月から、ミリ波を利用した5G通信サービスを展開。ミリ波利用時の通信速度(理論値)は下りが最大4.1Gbps、上りが最大480Mbps。
2020年12月以降には、3.7GHz帯と4.5GHz帯の周波数をキャリアアグリゲーションで運用する。これにより、ミリ波よりも速い、理論値で下り最大4.2Gbpsの速度を実現する。ドコモによると、4.2Gbpsは国内では最速だという。
なお、KDDIとソフトバンクが進めようとしている4G周波数での5G転用については、2021年度の後半からドコモも展開する予定だが、4G転用分も含めた5Gの人口カバー率は公表していない。4Gの周波数を5Gに活用したとしても、通信速度は4Gと大差ないことから、ドコモは優良誤認にならないよう、低遅延を含めて訴求するとしている。
関連記事
- ドコモの「LTE→5G転用」は2021年度後半から 決算説明会で吉澤社長
LTE用に割り当てられた周波数帯の5Gへの転用に消極的とされるNTTドコモ。10月29日に行われた報道関係者向けの決算説明会において、初めて転用開始時期の見通しが明らかとなった。あくまでも、新規周波数帯でのエリア整備を重視する姿勢には変わりがないという。 - 4G周波数の5G転用は「優良誤認」と「速度低下」の恐れあり ドコモの5Gネットワーク戦略を解説
総務省の省令改正により、4G周波数の一部を5Gに利用できるようになった。こうした状況に疑問を投げかけているのがNTTドコモだ。同社自身も4Gから5Gへの転用は行う予定だが、拡大には慎重な姿勢を示す。 - ドコモ、スタンドアロン方式の5Gサービスを2021年度に開始
NTTドコモが、スタンドアロン(SA)方式の5Gサービスを2021年度中に提供することを明かした。スタンドアロン方式では、5Gのコアネットワークを用いることで、5Gの実力をフルに発揮できる。ドコモは4G周波数の一部を5Gに転用することも検討している。 - ドコモの「arrows 5G F-51A」がミリ波に対応 ソフトウェア更新で
NTTドコモが「arrows 5G F-51A」のソフトウェアアップデートを実施した。適用すると、5G通信サービスで「ミリ波」(28GHz帯)に対応し、対応エリア内で受信時最大4.1Gbps、送信時最大480Mbpsの通信が可能となる。 - ドコモの5G戦略を読み解く ネットワーク、料金、端末の特徴は?
NTTドコモが、5Gの商用サービスを3月25日に開始する。これに伴い5G対応端末を発売するが、いずれもハイエンドモデルだ。ネットワークや料金プランも含め、同社の5G戦略を解説する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.