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iPhone 15 Proのチタンが「変色する」はデマ? 実機画像がX(旧Twitter)で話題(1/2 ページ)

iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxのフレームに使われる素材について、X(旧Twitter)では「変色する」との投稿が注目を集めている。まずは素材のチタン合金(グレード5)の特性をチェックしたい。変色する、とされる要因が何かを考えてみたい。

 iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxのフレームに使われる素材について、X(旧Twitter)では「変色する」との投稿が注目を集めている。その投稿内容について詳しく説明する前にまずは素材をおさらいしたい。


画像の奥が「iPhone 15 Pro Max」、その手前が「iPhone 15 Pro」

チタン合金(グレード5)とは何か

 Appleのイザベル・ヤン氏(Materials Science Engineer)によると、iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxのフレームに使われる素材はチタン合金(グレード5)となっている。


iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxのチタン合金について説明する、Appleのイザベル・ヤン氏(Materials Science Engineer)

 チタン合金(グレード5)はチタンにアルミニウムなど、他の金属素材が混ざった素材。純チタニウム(グレード2)よりも引張強度が高い。チタンそのものとしては鉄の約2倍、アルミニウムの約3倍の強度を持つ反面、鉄よりも軽いなどの特性が挙げられる。

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 その一方で、チタン合金の精密な加工には高度な技術が必要になる他、コスト増大の要因となり得る。

 ヤン氏によると、iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxと同じチタン合金が、火星探査機にも使用されているという。

 AppleのプレゼンではiPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxのチタン合金(グレード5)について、「非常に強くて頑丈」な素材として紹介され、「チタン合金(グレード5)の使用により、iPhoneのProシリーズ史上最も軽くなった」点がアピールされている。


iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxのチタン合金

 AppleはiPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxに熱機械的処理を施し、チタニウムの内側にアルミニウムを接合させたことで、チタニウムとアルミニウムの相乗的特性が生まれ、強度と放熱性を担保しつつも、軽量化を実現できたという。

 この過程を経て完成したフレームには、精巧な機械加工や研磨、それにブラシ、ブラストの加工も施されている。

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