「Xperia 5 V」のターゲットは“若者” スペックよりも体験を伝える手法とは(2/2 ページ)
ソニーは9月20日、スマートフォン「Xperia 5 V」の国内における販路を発表した。NTTドコモ、KDDI、楽天モバイル、ソニーストアが取り扱う。同日の説明会でソニーがXperia 5 Vのプロモーションに「NiziU」を起用した狙いなどが語られた。
Xperia 5 Vの宣伝に「NiziU」を起用 体験を分かりやすくアピール
そんなXperia 5 Vの良さについて、ソニーは若者にどう伝えていくのだろうか。
ソニーが出した答えはアイドルグループ「NiziU」を起用したプロモーションだ。NiziUを「スタジアムツアーを終えたばかりのまさに旬なアーティスト」と紹介する久下氏は、NiziU出演のCMをWeb(主にSNS)で展開していくと説明した。さらに、NiziUのメンバーがXperia 5 Vの魅力を語るインタビュー映像も公開される。
CMはメンバーのエクストラカット(※2)を含む特別バージョンもある。ソニーは通常バージョンやインタビュー動画と合わせてランダムに配信していくという。20日の説明会ではNiziUが出演するCMの一部が報道時に公開された。メンバーが実際にXperia 5 Vを使う様子が映像化されており、NiziUのメンバーがXperia 5 Vを手に持ち動画を視聴するシーンや、Xperia 5 Vとソニーの完全ワイヤレスイヤフォン「LinkBuds S」と組み合わせて使うシーンもあった。
(※2)K-POPのパフォーマンスの最後にカメラにクローズアップされる1人を指す
そんなXperia 5 Vのキャッチコピーは「新しいスマホ。新しいワタシ。」となっている。ソニーならではの技術が詰め込まれたXperia 5 Vが生む体験価値をアピールしたいという。日常を切り取る写真や、動画で新たなコミュニケーションが生まれ、騒がしい場所から離れ高音質な音楽や動画コンテンツに没頭する、そんな体験がキャッチコピーに込められている。
久下氏は「コンテンツが増える昨今において、夢中になりたい瞬間がいつ来るか分からないからこそ、ワンランク上の(Xperia 1 Vとほぼ同じ)体験が可能なXperia 5 Vを持つ意義がある」との考えを述べる。カタログだけでは伝えきれない体験をNiziUに発信してもらうことで、若者から支持を集めたいようだ。
さらに、ソニーは25歳以下の人にXperia 5 Vの実機を貸し出し、映像作品を制作してもらい、その中からグランプリを決めるコンペティションをVook(ヴック)と共催する。他にも、35歳以下のクリエイターによる写真、映像作品をコミュニティーサイト「αcafe」で募り、グランプリを決めるコンペティションや、幕張メッセで21日から24日まで開催される「東京ゲームショウ」ではさまざまなゲームタイトルとのコラボレーションも実施される予定だ。
こうした取り組みは全てXperia 5 Vの体験を若者などに分かりやすい形でアピールするための内容となる。
20日の説明会では触れられなかったが、Xperia 5 Vの製品サイトも工夫が凝らされている。Xperia 1 VとXperia 5 Vの製品サイトへアクセスして、双方を見比べると、Xperia 1 Vのカメラの項目にはレンズの明るさを示すF値など細かい情報の記載があるのに対し、Xperia 5 Vのカメラの項目にはそこまでの情報は記載されていない。もちろんスペック表にはそうした情報があるのだが、若者受けするのがどちらか? と聞かれたら間違いなく必要最低限の情報かつキャッチーなサイト、つまりXperia 5 Vの方だろう。
ただ、先にも述べたキャッチコピー、「新しいスマホ。新しいワタシ。」だけで、Xperia 5 Vの良さがぱっと見で分かるのか? と疑問がわく。製品サイトのトップにこのキャッチコピーがあると、当然、目はまずそこに向くはずだ。ならば、Xperia 5 Vでどんな新しい体験が得られるのか――これをさらに具体化すると浸透力が増すのではないだろうか。
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