スマホの容量不足はこれで解決! 写真や動画を「クラウド」と「外部ストレージ」にバックアップしよう(3/3 ページ)
スマホの写真や動画のデータ(ファイル)は、内蔵ストレージを圧迫しがちです。バックアップをかねてデータを外部に保存するようにすれば、内蔵ストレージを定期的に削除することで快適にスマホを利用できるようになります。その方法をチェックしましょう!
手元にデータを置いておける「外部ストレージ」へのバックアップ
大容量のデータを高速で転送したいときや、月額料金を掛けずにデータをバックアップしたいときは、SSDやUSBメモリ、microSDといった外部ストレージへのバックアップがオススメです。
手動でバックアップする手間はあるものの、記録メディアを購入すれば維持費がほぼ掛からないことがメリットです。物理的な破損・/紛失リスクなどはありますが、ネット環境に依存せずデータをやり取りできるのは物理メディアの強みです。
外付けストレージの「ファイルシステム」について
外付けストレージ(特にSSD)の中には、Android OSやiOSでは認識できない形式でフォーマット(初期化)されているものがあります。AndroidスマホやiPhoneで使う場合は、以下のいずれかの形式で初期化されているものを使うか、初期化し直してください。
- 両OSで使えるファイルシステム
- FAT(FAT16)
- FAT32
- exFAT(FAT64、※2)
- iOSでのみ使えるファイルシステム(Android OSやWindowsでは認識不可)
- APFS
- HFS+
なお、iOSには外付けストレージを初期化する機能がないため、初期化が必要な場合は他のデバイスで初期化をしてください。
(※2)一部のAndroidスマホでは認識できません
外付けSSD:小型軽量で耐久性に優れているが価格は高め
「SSD(Solid State Disk)」は、従来のHDD(ハードディスクドライブ)と比べても高速にデータの読み書きができることが最大の特徴です。スマホではUSB接続のSSDを利用可能です。
SSDのメリットとデメリットをまとめると以下の通りです。
- メリット
- 転送速度が速い
- 衝撃に強い
- 小型軽量で持ち運びやすい
- デメリット
- 容量に対して価格が高い
Androidスマホの場合、USBケーブルを使ってスマホ本体と接続するだけで使えます。ただし、外付けSSDとスマホの組み合わせに合致したケーブルが必要な他、取り付け後には「マウント操作」、取り外し時には「アンマウント操作」が必要です。
マウントすると、「ファイル」アプリ(※2)からSSD内のデータを見たり、ファイルのコピー/削除を行ったりできます。アプリによっては、直接SSDへと読み書きできることもあります。ただし、初回のアクセス時には、アプリに読み書きの権限(パーミッション)を付与する作業が必要な場合がありますので注意してください。
(※2)端末によってアプリの名前が異なる場合があります
一方、iPhoneの場合は現行のiOSであれば「ファイル」アプリからSSDの読み書きを行えます。また、アプリによっては直接SSDへの読み書きを行える場合もあります。
接続ですが、iPhone 15/15 Proシリーズであれば、USB Type-Cケーブルを使って直接接続できます。それ以前のLightning端子を備えるモデルについては「Lightning - USB-Cケーブル」または「Lightning - USBカメラアダプタ」「Lightning - USB 3カメラアダプタ」を用意して接続してください。
なお、iPhoneが対応するUSB規格はiPhone 15 Proが「USB 3.2 Gen 2(最大10Gbps)」、それ以外が「USB 2.0(最大480Mbps)」です。より高速な読み書きを期待したい場合は、iPhone 15 Proをお勧めします。
SDメモリーカード:入手性が高くて持ち運びやすいが紛失リスクも高い
「SDメモリーカード」は、デジタルカメラやドライブレコーダーなどで使える汎用(はんよう)性の高い記録メディアです。Androidスマホには、コンパクトサイズの「microSDメモリーカード」を直接差し込めるモデルもあります。
スマホで使う場合は、特にフルサイズのカードの場合はUSB接続のリーダー/ライターをつなぐ必要はありますが、価格の安さや入手性の高さ、容量の選択肢の豊富さが特徴です。
SDメモリーカードのメリットとデメリットをまとめると以下の通りです。
- メリット
- 価格が安い
- コンパクトである
- 入手性が高い
- 使えるデバイスが多い
- デメリット
- 小さいがゆえに紛失しやすい
- カードスロットを内蔵していないとリーダーが必要
- 利用するカードやリーダーの組み合わせによっては読み書きの速度が遅い
なお、先述の通り、以前はmicroSDスロットを内蔵するAndroidスマホが多かったのですが、最近では非搭載モデルが増えています。特にGoogleのPixelシリーズや、サムスン電子の「Galaxyシリーズ」のハイエンドモデルでは、その傾向が顕著です。
microSDメモリーカードスロットを備えないモデルでは、microサイズであってもリーダー/ライターを用意する必要がありますので気を付けてください。
なお、ファイルのやり取りの仕方はSSDと同様です。
USBメモリ:データの持ち運びがメインならお勧め
「USBメモリ」は、USB端子に直接差し込んで使うストレージデバイスです。単に「USB」と呼んでいる人も多いですが、これは厳密には正しくない言い方です(USB端子にはいろいろなデバイスを接続できますからね……)。
USBメモリは、SSDやSDメモリーカードよりも容量が少なめな傾向にあり、コンビニエンスストアで写真を印刷したり、PCと簡単なデータをやりとりしたりといった簡単なファイルのやりとりに最適です。
多くのUSBメモリはUSB Standard-Aプラグを採用しているため、スマホにつなぐには何らかの変換アダプターが必要なことが多いです。ただし、最近ではスマホや一部のPC/Macでの利用を想定してUSB Type-Cプラグを持つUSBメモリも増えています。
USBメモリのメリットとデメリットをまとめると、以下の通りです。
- メリット
- 価格が安い傾向にある
- 上位モデルなら、SSD並みの速度で読み書きできる
- ケーブルレスで接続できる
- コンパクトで持ち運びやすい
- デメリット
- 容量が小さいモデルが多い
- USB Standard-A規格のプラグの場合、スマホでは変換コネクターが必要
なお、ファイルのやり取りの仕方はSSDと同様です。
まとめ
スマホに最適なストレージを選ぶ方法には、自分が使っているデータ容量を確認し、どれだけ足りないかを見極めることが大切です。
クラウドストレージを利用する場合、ファイルのやり取りにデータ通信が必要となるため、利用する環境や回線によっては快適に使えない可能性があります。モバイルネットワークを利用する際は、契約するプランの容量を使い切らないよう注意しましょう(Wi-Fiネットワークでのみアップロードする設定も活用してください)。
外部ストレージの場合、ハードの故障や紛失リスクがあるため、取り扱いに注意する必要があります。一方で、ランニングコストを抑えたい人や、データ通信に左右されず使いたい人におすすめです。
どちらもメリットとデメリットがあるため、両者にそれぞれ同じデータをバックアップしておいたほうが安全です。スマホの故障や紛失リスクに備えるためにも、特に写真や動画はなるべく早めにバックアップを取っておきましょう。
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