iPhone 15シリーズ付属のUSB Type-Cケーブルはどれだけ使える? 転送/充電速度を検証(1/2 ページ)
iPhone 15シリーズでようやく「Lightning」端子から「USB Type-C(USB-C)」端子に置き換わった。記者はLightning端子を備えるiPhone 14 Pro MaxとUSB Type-C端子を備えるiPhone 15 Pro Maxを用意。iPhone 14 Pro MaxとiPhone 15 Pro Maxのデータ転送速度と充電速度を比較した。
iPhone 15シリーズでようやく「Lightning」端子から「USB Type-C(USB-C)」端子に置き換わった。筆者が注目したいのはデータの転送速度だ。
昨今、クラウドで写真や動画、音楽などのデータを管理する人が増えているだろうが、ネットワーク接続なしにファイルへアクセスできることから、iPhoneのローカルストレージで管理したい人もいるだろう。そこで、Lightning端子を備えるiPhone 14 Pro Maxと、USB Type-C端子を備えるiPhone 15 Pro Maxを用意し、データ転送速度の実測値を比較したい。
実際の転送速度を計算した
iPhone 15シリーズのUSB Type-C端子については、過去記事で何度も触れられているが、念のためスペックをおさらいすると、転送速度はiPhone 15/15 Plusが最大480Mbps、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxが最大10Gbpsとなっている。
iPhone 15シリーズにはUSB Type-Cケーブルが付属しているが、対応する規格はAppleが言うところの「USB 2」なので、転送速度はUSB 2.0と同じ480Mbpsにとどまる。iPhone 15 Pro/15 Pro Maxに関しては、付属ケーブルでは10Gbpsの実力をフルに発揮できないが、今回は付属ケーブルがスペック通りの実力を発揮するのか検証する。
検証に用いるPCは「Mac mini(M1 2020)」とする。Mac miniのUSB Type-C端子は「USB 3.1 Gen 2」に対応していることも「Mac mini (M1, 2020) - 技術仕様」というページで確認できた。
接続に使うケーブルとして選んだのはiPhone 14 Pro Maxが「USB-C - Lightningケーブル」、iPhone 15 Pro Maxが「USB-C - USB-Cケーブル」。どちらも箱に付属しているケーブルだ。なお、Mac miniとiPhoneの間に分岐ツールのUSBハブは使わず、直接ケーブルでつないだ。
計測にかかった時間はMac miniの「フィンダー」で「同期」をクリックしてから転送が「完了」するまでとするが、iPhoneのバックアップをMacで行うように設定していると、同期の度にバックアップが取られるので、今回はデータ転送速度のみを計測すべく、iCloudへのバックアップを選択した。
コンピュータが扱う情報の単位として、1バイト=8bitと表記される。480Mbpsで転送できるということは、1秒の間に60MBの容量を持つデータを転送できるということになる。
実際にそのスペック通りの速度なのかを計算した。送信したデータの総容量を送信完了までにかかった時間(秒)で割ると、1秒あたりに送信できるデータ量が分かる。
実際に用意したデータはJPEG形式の写真で、総データ容量は590MB(1枚6.9~7MB)、枚数にして80枚とした。結果はどちらも10秒で転送できたので、1秒当たりに送信できるデータ量は59MBとなる。
iPhone 14 Pro Max
- 590MB
- 10秒で転送
iPhone 15 Pro Max
- 590MB
- 10秒で転送
繰り返しにはなるが、480Mbps≒60MB/秒なので、今回は480Mbpsというスペックとほぼ同じ転送速度であることが分かった。
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