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「楽天モバイルのプラチナバンド計画は遅い」「ARPUの減収が反転」 KDDI決算会見で語られたこと(2/2 ページ)

KDDIの2023年度上期の売上高は前年同期比1.4%増の2兆7790億円、営業利益は同0.2%増の5603億円で増収増益。モバイル通信の収入がプラスに転じるなど全体的に収益が拡大した。通信と金融の相乗効果も出ており、「auマネ活プラン」の拡販を目指す。

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通信と金融の好循環 カギを握る「auマネ活プラン」

 金融事業では、au PAYカードの会員数が10月に900万に到達し、au PAY会員数は前年同期比293万増となる3373万に達した。auじぶん銀行の口座数は同56万増の545万、auカブコム証券口座数は同13万増の161万となった。


主要サービスが順調な金融事業

 金融事業の営業利益は前上期比では92.9%増の171億円、決済/金融取扱高は同19.3%増の8.1兆円、付加価値ARPU収入は13.4%増の成長率だった。成長ドライバーとなるau PAYゴールドカードの会員数は54%増の97万で、10月には100万会員を突破。住宅ローン残高は同56.2%増の2.3兆円となった。


いずれも2桁成長で、営業利益は大幅に増加

収益の柱となるゴールドカードと住宅ローンも拡大

 こうした成長をさらに加速させることが期待されているのがauマネ活プランで、プラン開始以降、店頭における加入率が、au PAYカードで約1.2倍、au PAYゴールドカードで約1.5倍、auじぶん銀行口座で約4.8倍と拡大。「通信とのシナジーを行かし、金融サービスの顧客基盤のさらなる拡大を目指したい」と高橋社長。

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 高橋社長は、auマネ活プランなどでau通信サービスの魅力を拡大してARPUの増加と解約率の低減を図り、それに伴って金融サービスも拡大して、それがさらにauサービスの魅力増大につながるという好循環をさらに確立させることを戦略として示している。

 実際、全体の解約率は0.99%だが、「auの解約率はどんどん下がっていて良い傾向」とのことで、金融との連携が功を奏しているとの見方だ。


通信との連携で金融事業にも好影響

 ソフトバンクがPayPayとの連携を進め、楽天モバイルも金融事業との連携を進めており、「各社とも通信との連携強化に走り出した感じ」と高橋社長。通信との連携で先んじたKDDIとして、「戦略は間違いではなかった」(同)との判断で、通信と金融の連携強化が、「今年から来年の注目ポイントとみている」と高橋社長は話している。

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